【四柱推命】通変星と家族関係(六親):1-母親と自分自身

四柱推命では、各自の命式や大運、歳運を表す「十干十二支」に、それぞれ「通変星」が当てはめられ、運勢の流れを読み取っていきます。また、家族関係の判断にも用いられています。それには、決まった法則があります。今回から、数回に分けて、「六親=六種の親族。父・母・兄弟・姉妹・妻・子」について述べて行きたいと思います。第1回目は、「母親と自分自身」です。

あのう、ここって、運命を見て貰えるところでしょうか?

はい、そうですよ。
どうか、なさいましたか?

実は、僕、家の中で、上手く行ってないんです。
いつも、父親とぶつかってばかりで、母親は、そんな僕をかばってくれるのですが、その後、父親が、母親に対し、文句を言うので、傍で見ていて、気持ち的に苦しいです。・・・
何で、こうなるんだろうって、思って来ました。

それは、大変ですね。
では、あなたの生年月日から見て、その原因や対処の仕方を考えてみましょう。

そんな事が出来るんですか?
もし、そうなら、お願いします!

はい。それでは、今から、四柱推命で見て行きましょう。
ところで、あなたは、四柱推命の事を御存じですか?

いえ、名前だけしか分かりません。中国の占いだと言う事くらいしか、・・・

そうですか。
それでは、概略をお伝えせねばなりませんね。
四柱推命とは、中国で生まれた占術です。
陰陽五行説を基とした、生年月日、生時を用いた占いです。

西洋占星術みたいなものですか?

そうですね。共に、生年月日、生時を用いますが、両者には、共通点、相違点があります。
それらを語ると、とても長くなりますので、今回は、四柱推命についての概略に限って述べますね。
では、次の図を御覧ください。これが、陰陽五行説を図式化したものです。

陰陽五行解説図
詳しい五行相生、相克図

昔の中国の人たちは、全ての物事を「陰陽(二元論)」に分けました。
そして、それらが、世界(時の流れや、森羅万象)を構成する五行(5つの要素)のどれに該当するかを決めました。
東洋の占いである四柱推命は、この考え方を基にしています。
人の命運を読み解く際に、例えば、ある男の方が居たとします。
 男の人=陽
 木気の生日で、乙の日の生まれ=木気の陰の気の性質
 四柱の地支には、木気がない。
 生月に、土気がある=その土気でも、「己」がある=正財星を持っている。
 地支にも、たくさん土気がある。
 *この二者(木気、土気)の関係から、「財多身弱」の傾向がある。つまり、元々、お金や女性に対して、ガードが甘い。それらを上手くコントロール出来ない。但し、大運、歳運で、木気が巡れば、開運出来るが、土気が来れば、より困難に見舞われる可能性が高い。

こういう感じで、生年月日、生時を「四柱」とし、十干十二支に置き換えて、四柱の互いの関係(相生、相剋)を読んで行きます。
そして、生まれてから、どういう人生を送っていくかを、時の流れを加味して、大運(10年運)、歳運(1年運)で見て行くのですよ。

ひゃぁ~~~~、凄いです。
まだ良く分からないけど、何か、凄い判断方法ですね。

今回、あなたは、家の中の親子関係で悩んでおられるので、その点について見て行きましょうね。
下の図は、「相生・相剋」図です。五行間の関係性を表しています。

青い線が、相生、黒い線が、相剋ですね。
でも、相生、相剋って、何ですか?

相生は、互いに助け合う関係です。
木生火、火生土、土生金、金生水、水生木
と言うように、自分から見た場合、相手を生み出します。
相手から見れば、力を与えて貰える事になります。

相剋は、互いを傷つけ合う関係です。
木剋土、火剋金、土剋水、金剋木、水剋火
と言うように、自分から見た場合、相手を制御します。
相手から見れば、力を奪いに来る事になります。

大変だ。

ほほほ、・・・・
相生、相剋は、どちらかが良くて、どちらかが悪い、と言うものではありません。

命式の中で、相生でも悪い働きをする事もあります。
相生された方の気が大きくなりすぎて、相生した方の気が痩せ細り、その通変星が上手に働かなくなってしまいます。

また、相剋でも、良い働きをする事があります。
ある五行の通変星が、他の五行の通変星より大きくて、他の通変星に害を及ぼす状態であるのが、大運、歳運などで相剋されると、大人しくなります。

つまり、全ては、バランスの話なのです。
難しい言葉で言うと、四柱が「中庸(ちゅうよう)=いい塩梅」であるのが良い、と言う事です。

何か、奥が深そうですね。
で、僕の場合、どうすれば良いですか?

親子関係を見るには、下の図を御覧ください。
四柱推命では、自分の命式の十干十二支から、その五行の配置される位置を決めます。
そして、五行それぞれに「通変星」を割り当てて行きます。

次に、配置された五行の有無や強弱を決めます。
それが、各人の命運を推しはかる事になるのです。

上の図は、木気を日主(生日が、甲、乙の人)とした場合の配置です。
火気(生日が、丙、丁の人)、土気(生日が、戊、己の人)、金気(生日が、庚、辛の人)、水気(生日が、壬、癸の人)の人の場合は、六角形の一番上が、自分の日主となります。
下の図は、通変星の呼び名です。
自星(日主):自分自身
火気:自己が表現するもの
水気:財星
土気:官星
水気:自分を守ってくれるもの

五行相関図
五行相関図
五行通変星
五行通変星

ひゃぁ~~~~、、だんだん難しくなってきた。
ついて行けるかな?

大丈夫ですよ。
日主から始まる時計回りの五行(通変星)は、始めに申し上げたように、人の生きて行く流れを表してもいます。

今回は、家族関係です。
では、質問ですよ。
自星(日主)は、自分自身です。
あなたが心配されている親子関係で、お母様は、どの位置になると思われますか?

お母さんだから、僕を生んでくれた人だから、ひとつ前の所かな?

時柱日柱月柱年柱
天干
地支
焦る男子学生の命式

素晴らしい!
名解答です。
本人=自星(日主)を生み出すのは、ひとつ前です。

つまり、あなたの場合は、自星(日主)が木気の「甲」なので、
相生で言う「水生木」が、本人と母親の関係になります。
ひとつ前は、水気ですので、それがお母さんの場所になります。
四柱推命の用語を使うと、
甲日生まれ:比肩星
甲日生まれにとっての、水気「癸」は印綬星:母親

あなたの場合は、男性(陽)ですし、お母様は女性(陰)ですので、理想的な組み合わせですね。縁が深いと見ます。

何か、褒められて嬉しいです。
でも、僕は、甲日だけれど、印星の水気が「壬」だったり、全く無かったりしたら、どうなるのですか?

まぁ、素晴らしい質問ですね。
「甲」と「癸」の関係は、配合(配偶)と言って、陰陽がきちんと対応してますね。
これが、本来のあるべき形です。

しかし、命式に「癸」が無く、「壬」であったなら、「甲」と「壬」ですので、陽干同士となり、こういう場合は不配(不配偶)と言いいます。「壬」は偏印星ですが、次善の策として、これも母親と見ます。

天干に、水気が無い場合、地支も参考に見ます。これは、地支にある蔵干を意味します。
しかし、命式中に、全く水気が無い場合、たとえ母親が存在していても縁が薄い、と見ます。

へぇ~~~、そういう風に考えるのですね。
面白い見方だなぁ。・・・・
でも、他の干の日に生まれた人は、どう見て行くのですか?

偏印(他の柱の
どこかにある)
印綬(他の柱の
どこかにある)
日柱の天干
壬(陽干)癸(陰干)甲(陽干)
癸(陰干)壬(陽干)乙(陰干)
甲(陽干)乙(陰干)丙(陽干)
乙(陰干)甲(陽干)丁(陰干)
丙(陽干)丁(陰干)戊(陽干)
丁(陰干)丙(陽干)己(陰干)
戊(陽干)己(陰干)庚(陽干)
己(陰干)戊(陽干)辛(陰干)
庚(陽干)辛(陰干)壬(陽干)
辛(陰干)庚(陽干)癸(陰干)
日主と印星の干どうしの関係一覧

日主(自星=比肩星)が、十干それぞれの場合、相生の印星の干が、どうなるかを一覧にしてみました。

印綬星と言うのは、
日主と陰陽が逆の関係=配合(配偶)

偏印星と言うのは、
日主と陰陽が同じ関係=不配合(不配偶)

を意味します。
これらの表は、男女とも同じ見方をします。

うわぁ~~~~、す、凄い、いっぱい出て来た。
これが全部の干の組み合わせなんですね。
覚えられないです。

ほほほ、・・・・
別に、今すぐ覚える必要はありません。
先ず、自分の命式を、きちんと認識する所から始めましょうね。

それより、あなたは、かなりの甘えたさんですね。

えぇっ、・・・・そ、そんな事ないですよ。
何で、そういう事を仰るのですか?

ほほほ、命式が語っていますよ。
あなたの命式の地支には、水気が多くありますよ。
天干の「癸」と通根していますから、印星が強く働きます。
つまり、自分を生み出してくれる存在と縁が深い=頼ってしまいがち、と判断出来ますね。
将来、きちんと自立出来るよう、常日頃から心掛けねばなりませんよ。

特に、男性の場合は、自身が陽、母親が陰の存在ですので、通変星の配合、不配合に関わらず、大過していると、自分を守ってくれる存在に対し、甘えたり、怠けたりして動きが鈍くなります。

女性の場合は、自身が陰、母親が共に陰の存在ですので、通変星の配合、不配合に関わらず、大過していると反発が起こり、逆に自立心が旺盛になり、キャリアウーマンタイプとなります。

本当ですか?
今まで、そんなことは、自分では意識していません。
でも、お母さんには、お父さんとの事で、迷惑を掛けているのは事実だし。・・・・
弁天様、次は、命式の中の、お父さんの見方を教えて下さい。
お願いします。

分かりました。
では、次回までに、参考として、お父様、お母様の生年月日も準備しておいて下さいね。

自分の命式を知る事は、上手く生きて行く羅針盤となるものです。
全てを理解するのは難しいですが、少しづつでも理解していこうとする姿勢で居て下さいね。それが、開運の一助となります。

では、また、お会いしましょう。