【四柱推命】通変星と家族関係(六親):2-父親と自分自身
四柱推命では、各自の命式や大運、歳運を表す「十干十二支」に、それぞれ「通変星」が当てはめられ、運勢の流れを読み取っていきます。また、命式では、家族関係の判断にも用いられています。それには、決まった法則があります。前回から、数回に分けて、「六親=六種の親族。父・母・兄弟・姉妹・妻・子」について述べて行きたいと思います。第2回目は、「父親と自分自身」です。
弁天様、こんにちは。
今日も、宜しくお願い致します。
はい、こんにちは。
今日は、「父親」についてですね。
では、質問ですよ。
五行の通変星の中で、父親は、どの場所になるか、お分かりになりますか?
え~~~と、前回、母親の場所は、印星だと教わりました。
と言うことは、父親なので、僕を挟んで反対側の泄星(食神、傷官)ですか?
あらあら、・・・・
今回は、外れてしまいましたね。
子供は、男性「陽」と、女性「陰」が結びつくことによって生まれてきます。
基本的な考え方は、「陽の男性」が「陰の女性」を剋す、と言うものです。
では、印星を剋するのは、どこの星ですか?
あ、・・・・そうか!
母親の印星を剋すのは、財星です。
御名答です。
あなたの場合、命式の母親の場所である「印星」に「癸=印綬星」があります。
すると、印星を剋す財星は、何か分かりますか?
癸は、水気だから、「~剋水」になればいいんだ!
あ、ひらめきました。
「土気」です。
「土剋水」です。
でも、財星の土気には、2種類ありますよね。
「戊」と「己」、どっちだろう?
先ほど申し上げたように、命式上で、父親と母親の関係は、通変星では相剋です。
どなたの命式でも、母親の場所である印星を、父親の場所である財星が剋します。
男女間で、子供と言う新しい結びつきが生まれるためには、互いが異質なものどうしが出会う事を意味します。
その中でも、相剋よりも、より深く結びつく関係を「干合」と言います。
干合とは、特定の干どうしの結びつき方を言います。
干は、10干ありますね。それを、2つに分けます。
陽干(天を意味する):甲、丙、戊、庚、壬
陰干(地を意味する):乙、丁、己、辛、癸
「剋」と似ているのですが、5つの形しかありません。
陽干 | 陰干 | 新たに生まれる気 |
甲 | 己 | 土気 |
丙 | 辛 | 水気 |
戊 | 癸 | 火気 |
庚 | 乙 | 金気 |
壬 | 丁 | 木気 |
「干合(かんごう)」は、十干のそれぞれが、違う十干との間で、特に強く結びつく関係であり、「相剋」と内容的には少し似ていますが、抑制、結合、変化を意味します。
特に、「干合」の場合、命式の中の星の多寡によっては、
干合した干どうしが、違う五行の干に生まれ変わる場合もあります。
今回は、命式に於ける家族関係の場所=通変星の位置の話なので、その干合化した件については触れませんが、命式自体の「格」の話や、大運、歳運の巡る運勢を見る際には、重要になります。
わぁ~~~、僕の命式、どうでしたっけ?
「財星」があるのでしょうか?
時柱 | 日柱 | 月柱 | 年柱 | |
甲 | 戊 | 癸 | 天干 | |
地支 |
ほほほ、バッチリありますよ。
あなたの場合、母親が「癸:印綬星」であり、父親は「戊:偏財星」となります。
あなたは、父親、母親と、綺麗に繋がった、縁の深い生まれですね。
父親(戊)→干合→母親(癸)→配合→子供
あなたのように「日主=甲=比肩星」の隣の「社会運、家族運」を表す月柱に「戊=偏財星」が付いているので、それが、父親からの圧力が強いと感じる原因になっておられるかも知れませんね。
お父さんとのことを考えると、縁が深い、と言われると、複雑な気持ちです。
でも、前回でも質問したように、僕は、甲日だけれど、財星の土気が「己」だったり、全く無かったりしたら、どうなるのですか?
はい、その御答えですが、前回、母親との関係で申し上げた考え方とほぼ同じになります。
母親ー本人は、「配合=陰陽が違う関係」がベストでした。
父親ー本人は、「不配合=陰陽が同じ関係」がベストになります。つまり、「甲」と「戊」の関係は、陰陽が同じ、「陽」の関係です。
しかし、命式に「戊」が無く、「己」であったなら、「甲」と「己」ですので、陰陽干同士となり(配合、配偶)、こういう場合は、先ほどの「父親ー母親間の干合」の説明と同様、「干合」となります。「己」は正財星ですが、次善の策として、これも父親と見ます。
また、天干に、土気が無い場合、地支も参考に見ます。これは、地支にある蔵干を意味します。
しかし、命式中に、全く土気が無い場合、たとえ父親が存在していても縁が薄い、と見ます。
「相剋」、「干合」、・・・何か、頭がこんがらがって来ます。
でも、干どうしが、お互いに影響を及ぼし合うことだけは、分かって来ました。
でも、他の干の日に生まれた人は、どう見て行くのですか?
偏財(日柱以外の柱の どこかにある) | 正財(日柱以外の柱の どこかにある) | 日柱の天干 |
戊(陽干) | 己(陰干) | 甲(陽干) |
己(陰干) | 戊(陽干) | 乙(陰干) |
庚(陽干) | 辛(陰干) | 丙(陽干) |
辛(陰干) | 庚(陽干) | 丁(陰干) |
壬(陽干) | 癸(陰干) | 戊(陽干) |
癸(陰干) | 壬(陽干) | 己(陰干) |
甲(陽干) | 乙(陰干) | 庚(陽干) |
乙(陰干) | 甲(陽干) | 辛(陰干) |
丙(陽干) | 丁(陰干) | 壬(陽干) |
丁(陰干) | 丙(陽干) | 癸(陰干) |
日主(自星=比肩星)が、十干それぞれの場合、相剋となる財星の干が、どうなるかを一覧にしてみました。
偏財星と言うのは、
日主と陰陽が同じ関係=不配合(不配偶)
正財星と言うのは、
日主と陰陽が違う関係=配合(配偶)
を意味します。
これらの表は、男女とも同じ見方をします。
財星は、お金に関係する星とばかり思っていました。
家族関係で、父親の役割を果たすとは、意外でした。
でも、僕、これから、どうしたらいいでしょうか?
お父様の命式を見る限り、火気、土気が強いタイプの方ですね。
日主=自星(比劫星)が、しっかりしておられる方とお見受けします。
このまま、一緒に暮らすと、恐らく、お互いの大運、歳運の運勢を加味して行くと、より仲が悪くなる可能性が出てきます。
また、お母様の命式を見ても、お父様を抑えられるものとは、今後もならないでしょう。
あなたの場合、17歳の時期から大運が切り替わり、「木気」が強くなってきます。
それは、父親に対抗出来る事を意味しますが、その時期を将来を含めて良きものとするためには、あなた自身の生き方を見直す、つまり、精神的自立を図らねばならない、と言うことです。
精神的自立、・・・う~~~ん、難しいです。
僕、いっそのこと、高校卒業後、就職するか、大学か専門学校に進学する時、家を離れた方がいいのかな?
それも、ひとつの方法ですね。
大運、歳運の時期を見極め、良い方位へと移転するのは、開運法で、最も効果がある方法です。
時間は、あっと言う間に、過ぎ去って行くものです。
でも、自分の人生の流れを事前に把握していると、その時々の対処の目安となります。
そのために存在するのが、占いだと、お考え下さい。
有難うございます。
まだ高校一年生だけど、卒業後の事を、今から考えて行きます。
父親と上手くやって行くには、工夫が必要ですね。
ほほほ、・・・・
「工夫」と言う言葉を、あなたは仰いましたが、それは父親に対してのみならず、自分の人間関係全てに言えることですよ。
相性が悪ければ、相手を上手くかわす、
相性が良ければ、相手とより繋がって行く、
誰に対しても、己の出処進退を誤らないよう、気を付けていくことです。
はい。
今後は、弁天様からの、お言葉を忘れないようにします。
今度は、僕の塾の先生を連れて来ても良いですか?
今、恋愛中で、悩んでいるみたいです。・・・・
勿論、構いませんよ。
家族関係、恋愛関係、職場関係、どんな関係でも、互いの特質を見極める=命式を読み取ると、相手と付き合いやすくなります。
こちらの一方的な考えや見方で、事を起こしては、成るものも成りません。
占いは、そのためにあるものであり、是非、上手に活用して頂きたいですね。
それでは、また、次回、お会いしましょう。