【四柱推命】通変星についてー2、食傷

通変星とは、自分自身を表す日干と他の干との関係から算出されたものを言います。その際、 干同士の関係を 通変星 に置き換えて、その方の命式の判断をします。今回は、「財星」についてです。 通変星には、10種類があります。 通常、2つずつ組み合わせて呼びます。今回は、「食傷星」ー「食神星、傷官星」について述べて行きたいと考えております。

通変星には、以下の10種類があります。

通常、2つずつ組み合わせて呼びます。

比劫(ひごう)・・・比肩・劫財(ごうざい)

食傷(しょくしょう)・・・食神・傷官

財星(ざいせい)・・・偏財・正財

官星(かんせい)・・・偏官・正官

印星(いんせい)・・・偏印・印綬

今回は、「食傷」についです。

この食傷は、別名「漏星(ろうせい)」とも呼ばれています。

ちょうど、日主(比劫)のエネルギーが流れていくものです。

また、本人から見て「生まれる」と言う事で、「子供の存在」を表したりします。

逆に「食傷」から言えば、日主からエネルギーを貰う、若しくは、奪う、とも言えます。

具体的に図示してみます。下記の図の、一番上の頂点に位置するのが、日干(日主)です。

食傷は、その次に位置します。図で言うと、一番、右側になります。

色が違うのは、日干の五行が、「どの気」であるかによってスタートの日干が決まるからです。

           

木甲
日干が、「甲、乙」の方
火
日干が、「丙、丁」の方

          

土気の模範五行
日干が、「戊、己」の方 
金の模範五行
日干が、「庚、辛」の方

水の模範五行
日干が、「壬、癸」の方

食傷の中での、「食神、傷官」の分け方ですが、

御自分の命式の生日から見て、食傷の場所に同じ五行の陰陽の干があるならば、食神と呼びます。

陽干・・・甲、丙、戊、庚、壬

陰干・・・乙、丁、己、辛、癸

御自分の命式の生日から見て、食傷の場所に違う五行の陰陽の干があるならば、傷官と呼びます。

例えば、生日「丙」の方がおられるとします。

時柱日柱月柱年柱 
 丙(陽干)
    

月柱に「己ー陰干」があるので、「日主ー丙」から見て、同じ陽干では無く、違う陰干になるので、それは「傷官」となります。

年柱に「戊ー陽干」があるので、「日主ー丙」から見て、同じ陽干になるので、それは「食神」となります。

例えば、生日「丁」の方がおられるとします。

時柱日柱月柱年柱 
 丁(陰干)
    

月柱に「己ー陰干」があるので、「日主ー丁」から見て、同じ陰干になるので、それは「食神」となります。

年柱に「戊ー陽干」があるので、「日主ー丁」から見て、同じ陰干では無く、陽干になるので、それは「傷官」となります。

今回は、分かりやすいように、干支の「干」のみで説明しましたが、「支」も干に置き換えられます。

(この場合、蔵干-ぞうかんと呼ばれます。支が内包している干の事です。)

そして、四柱全てを最終的に五行に置き換え、その強弱を見る際に、「通変星」を用います。

赤身旺2
日干が、火気(丙、若しくは、丁)の方の五行バランス

上記のような五行の命式になった場合、金色の「財星」、水色の「官星」が弱い。緑色の「印星」が強い方です。

基本的に、「火の丙、丁」は、「土の戊、己」をに注意を必要とします。その理由は「火土同根(かどどうこん)の法則」から来ます。五行説では、火は土を生ずる関係であるため、土は火に準じると言います。特に、火の性質を持つ十二支(巳、午、未)が土の十干と通根で結びつくことで土の五行がより強められます。今回のように日主が「火気」で食傷に「土気」が来る場合、支の中身である蔵干を良く検討しないといけません。

故に、先ず、金色の財星「金気」を強めた方が良いです。いきなり水色の官星「水気」を強めると、「水火激冲(すいかげきちゅう)」となります。エネルギーの流れを整えることによって、開運となります。

そのためには、「大運」、「歳運」が、例えば、

「火気の時期」なので、活動的になりがちだけど、我を抑え、周りとの調和を意識的に計る、

「金気の時期」なので、対外的に打って出て思いっきり行動する。

と言う風に、巡りくる時間が、自分にとって、どういう影響をもたらす気なのかを予測して動くのが、開運の秘訣です。

または、身近な人の命式を知ることにより、その人が「金気」が多ければ、自分を助けたり高めてくれる人か、「水気」が多い人ならば、自分を圧迫してくる相性が良くない方なのかもわかります。

そういう風に鑑定していきます。

食傷は、日干(日主)の次に位置しますので、自分自身を表現するものを意味します。自己表現、自分の気持ち、衣食住、直観ですね。

よく食神が良くて、傷官は悪いと言いますが、そういう事はありません。字面だけで判断してはなりません。食傷の位置は、官星を相剋する位置にあります。

そして、日主と同一の陰陽の干を重視する見方(日主の干が陽干ー食傷の干が陽干 OR 日主の干が陰干ー食傷の干が陰干=食神になる。互いに違う場合は、傷官になる。)から、そういう言われ方をしているようです。

その際、食傷、傷官が、日柱に対し、どう働くかは、各柱にある干と支(この場合、蔵干と呼ばれます。)によって、全て違ってきます。今回の例で取り上げた「日主が火気の丙、丁」に於いて、

日主:丙と、食傷が戊・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:丙と、食傷が己・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:丁と、食傷が戊・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:丁と、食傷が己・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主と、食傷の五行の干が、どの柱に存在する場所かによって、その働きも違います。

自分を知る。そのための占いです。

単純な占い方(例:生日のみで占う)では、本当の運命、運勢は分かりません。

四柱全てに意味があり、そこに存在する干支が、それを物語っています。