【四柱推命】通変星についてー3、財星

通変星とは、自分自身を表す日干と他の干との関係から算出されたものを言います。その際、 干同士の関係を 通変星 に置き換えて、その方の命式の判断をします。今回は、「財星」についてです。 通変星には、10種類があります。 通常、2つずつ組み合わせて呼びます。今回は、「財星」ー「正財星、偏財星」について述べて行きたいと考えております。

通変星には、以下の10種類があります。

通常、2つずつ組み合わせて呼びます。

比劫(ひごう)・・・比肩・劫財(ごうざい)

食傷(しょくしょう)・・・食神・傷官

財星(ざいせい)・・・偏財・正財

官星(かんせい)・・・偏官・正官

印星(いんせい)・・・偏印・印綬

今回は、「財星」についです。

この財星は、ちょうど、日主(比劫)が相剋(攻撃)しているものです。

また、逆に「財星」から言えば、日主からエネルギーを奪われる、とも言えます。

具体的に図示してみます。下記の図の、一番上の頂点に位置するのが、日干(日主)です。

財星は、その次の次に位置します。図で言うと、下の段の右側になります。

色が違うのは、日干の五行が、「どの気」であるかによってスタートの日干が決まるからです。

木甲
日主(日干)が、「甲、乙」の方の五行バランス
火
日主(日干)が、「丙、丁」の方の五行バランス

土気の模範五行
日主(日干)が、「戊、己」の方の五行バランス
金の模範五行
日主(日干)が、「庚、辛」の方の五行バランス

水の模範五行
日主(日干)が、「壬、癸」の方の五行バランス

財星の中での、「偏財、正財」の分け方ですが、

御自分の命式の生日から見て、財星の場所に同じ五行の陰陽の干があるならば、偏財と呼びます。

陽干・・・甲、丙、戊、庚、壬

陰干・・・乙、丁、己、辛、癸

御自分の命式の生日から見て、財星の場所に違う五行の陰陽の干があるならば、正財と呼びます。

例えば、生日「戊」の方がおられるとします。

時柱日柱月柱年柱 
 (陽干)
    

月柱に「癸ー陰干」があるので、「日主ー戊」から見て、同じ陽干では無く、違う陰干になるので、それは「正財」となります。

年柱に「壬ー陽干」があるので、「日主ー戊」から見て、同じ陽干になるので、それは「偏財」となります。

この方の命式の場合、壬・癸と言う「水気」は、身旺ならば、とても良い組み合わせです。但し、「戊ー癸」と干合するので、他の干支との関係を注意深く見ていかねばなりません。条件によっては、「干合」と言って、「戊(土気)ー癸(水気)」が、両者共に「火気」に変化する事もあります。

例えば、生日「己」の方がおられるとします。

時柱日柱月柱年柱 
 己(陰干)
    

月柱に「癸ー陰干」があるので、「日主ー己」から見て、同じ陰干になるので、それは「偏財」となります。

年柱に「壬ー陽干」があるので、「日主ー己」から見て、同じ陰干では無く、陽干になるので、それは「正財」となります。

この方の命式の場合、癸と言う「水気」は、身旺ならばとても良い組み合わせです。畑である「己」を雨の「癸」が潤す、と言う形となります。壬は海なので、「己」は、癸の方を喜びます。

今回は、分かりやすいように、干支の「干」のみで説明しましたが、「支」も干に置き換えられます。

(この場合、蔵干-ぞうかんと呼ばれます。支が内包している干の事です。)

そして、四柱全てを最終的に五行に置き換え、その強弱を見る際に、「通変星」を用います。

身旺
日主(日干)が、土気(戊、若しくは、己)の方の
五行バランス

上記のような五行の命式になった場合、水色の「財星」、緑色の「官星」が弱い。自分自身を表す茶色の「比劫」が強い身旺の方です。

故に、緑色の官星「木気」を強めた方が良いです。相剋(木剋土ーもっこくど・・・木で土をほぐす。)利用して、茶色の「比劫」の勢いを弱めることが必要です。

または、水色の財星「水気」を採って、緑色の官星「木気」の後押しをさせることが、開運となります。

そのためには、「大運」、「歳運」が、例えば、

「火気や土気の時期」なので、活動的に過ごすよりも内面的充実を計る、

「水気や木気の時期」なので、対外的に打って出て思いっきり行動する。

と言う風に、巡る時間が「どの気」の影響をもたらすかを予測して動くのが、開運の秘訣だと言えます。

または、御自分の、身近な人の命式を知ることにより、その人が「水気や木気」が多ければ、自分を助けたり高めてくれる人かどうかもわかります。

そういう風に鑑定していきます。

財星は、日干(日主)の相剋に位置しますので、計画性、流行や欲求を意味します。

また、男性にとっては、「財運、女性運」を表し、女性にとっては、「財運」を表します。

多すぎたり、少なかったりすると、逆に、「財」や「(男の方ならば)女性」に執着したり固執することがあります。

よく正財が良くて、偏財は、あまり良くないと言いますが、そういう事はありません。字面だけで判断してはなりません。

その際、正財、偏財が、日柱に対し、どう働くかは、各柱にある干と支(この場合、蔵干と呼ばれます。)によって、全て違ってきます。今回の例で取り上げた「日主が土気の戊、己」に於いて、

日主:戊と、財星が壬・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:戊と、財星が癸・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:己と、財星が壬・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:己と、財星が癸・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主と、財星の五行の干が、どの柱に存在する場所かによって、その働きも違います。

自分を知る。そのための占いです。

単純な占い方(例:生日のみで占う)では、本当の運命、運勢は分かりません。

四柱全てに意味があり、そこに存在する干支が、それを物語っています。