【四柱推命】通変星についてー4、官星

通変星とは、自分自身を表す日干と他の干との関係から算出されたものを言います。その際、 干同士の関係を 通変星 に置き換えて、その方の命式の判断をします。今回は、「財星」についてです。 通変星には、10種類があります。 通常、2つずつ組み合わせて呼びます。今回は、「官星」ー「正官星、偏官星」について述べて行きたいと考えております。

通変星には、以下の10種類があります。

通常、2つずつ組み合わせて呼びます。

比劫(ひごう)・・・比肩・劫財(ごうざい)

食傷(しょくしょう)・・・食神・傷官

財星(ざいせい)・・・偏財・正財

官星(かんせい)・・・偏官・正官

印星(いんせい)・・・偏印・印綬

今回は、「官星」についです。

この官星は、ちょうど、日主(比劫)を相剋(攻撃)しているものです。

また、逆に「官星」から言えば、日主からエネルギーを奪われる、とも言えます。

具体的に図示してみます。下記の図の、一番上の頂点に位置するのが、日干(日主)です。

官星は、その次の次の次に位置します。図で言うと、下の段の左側になります。

色が違うのは、日干の五行が、「どの気」であるかによってスタートの日干が決まるからです。

           

木甲
日干が、「甲、乙」の方の五行バランス

火
日干が、「丙、丁」の方の五行バランス

           

土気の模範五行
日干が、「戊、己」の方の五行バランス

金の模範五行
日干が、「庚、辛」の方の五行バランス

水の模範五行
日干が、「壬、癸」の方の五行バランス

官星の中での、「偏官、正官」の分け方ですが、

御自分の命式の生日から見て、官星の場所に同じ五行の陰陽の干があるならば、偏官と呼びます。

陽干・・・甲、丙、戊、庚、壬

陰干・・・乙、丁、己、辛、癸

御自分の命式の生日から見て、官星の場所に違う五行の陰陽の干があるならば、正官と呼びます。

例えば、生日「庚」の方がおられるとします。

時柱日柱月柱年柱 
 庚(陽干)
    

月柱に「丁ー陰干」があるので、「日主ー庚」から見て、同じ陽干では無く、違う陰干になるので、それは「正官」となります。

年柱に「壬ー陽干」があるので、「日主ー庚」から見て、同じ陽干になるので、それは「偏官」となります。

この方の命式の場合、丙、丁と言う「火気」は、条件によりますが、身旺であれば、水色の「水気ー壬」とか、緑色の「木気ー甲」ならば、とても良い組み合わせです。身弱であれば、水色の「水気ー壬」とか、金色の「金気」ならば、とても良い組み合わせです。

例えば、生日「辛」の方がおられるとします。

時柱日柱月柱年柱 
 辛(陰干)
    

月柱に「丁ー陰干」があるので、「日主ー辛」から見て、同じ陰干になるので、それは「偏官」となります。

年柱に「丙ー陽干」があるので、「日主ー辛」から見て、同じ陰干では無く、陽干になるので、それは「正官」となります。

この方の命式の場合、丙、丁と言う「火気」は、条件によりますが、身旺であれば、水色の「水気ー壬」とか、緑色の「木気ー甲」ならば、とても良い組み合わせです。身弱であれば、その内容によっては、水色の「水気ー壬」、金色の「金気」や赤色の「火気」ならば、とても良い組み合わせです。

今回は、辛と丙が日柱と年柱にありますが、もし、丙が月柱にあれば、干合しますので、「辛(金気)と丙(火気)が水気」に変化し、五行バランスを見る上で注意が必要となります。

今回は、分かりやすいように、干支の「干」のみで説明しましたが、支も干に置き換えられます。

(この場合、蔵干-ぞうかんと呼ばれます。支が内包している干の事です。)

そして、四柱全てを最終的に五行に置き換え、その強弱を見る際に、「通変星」を用います。

黄色身弱
日干が「金気ー庚、若しくは、辛」の方の五行バランス

上記のような五行の命式になった場合、水緑色の「財星」、茶色の「印星」が弱い。自分自身を表す金色の「比劫」が弱い身弱の方です。食傷と官星の「水火激冲」に注意しなければなりません。

故に、先ず金色の比劫「金気」を強めた方が良いです。相剋(火剋金ーかこくきん・・・火が金を溶かす。)する官星が強すぎて、自分自身を抑圧してくる存在となるため、これを和らげるために、「金気」を強めることが、開運となります。

そのためには、「大運」、「歳運」が、例えば、今、

「土気の時期」なので、活動的に過ごすよりも内面的充実を計る、

「金気の時期」なので、対外的に打って出て思いっきり行動する。

と言う風に、巡りくる時間がもたらす「気」の影響を予測しつつ行動する事が、開運の秘訣です。

または、身近な人の命式を知ることにより、その人が「金気」が多ければ、自分を助けたり高めてくれる人かどうかもわかります。また、「火気」の多い方を避けた方が、人間関係がスムーズに行きやすいです。

そういう風に鑑定していきます。

官星は、日干(日主)の相剋に位置しますので、組織、仕事、自制心を意味します。

また、男性にとっては、「子供の星」、女性にとっては、「男性運」を表します。

多すぎたり、少なかったりすると、逆に、「仕事」や「(女性の方ならば)男性」に執着したり固執することがあります。

よく正官が良くて、偏官は、あまり良くないと言いますが、そういう事はありません。字面だけで判断してはなりません。

その際、正財、偏財が、日柱に対し、どう働くかは、各柱にある干と支(この場合、蔵干と呼ばれます。)によって、全て違ってきます。今回の例で取り上げた「日主が土気の戊、己」に於いて、

日主:庚と、官星が丙・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:庚と、官星が丁・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:辛と、官星が丙・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主:辛と、官星が丁・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。

日主と、財星の五行の干が、どの柱に存在する場所かによって、その働きも違います。

自分を知る。そのための占いです。

単純な占い方(例:生日のみで占う)では、本当の運命、運勢は分かりません。

四柱全てに意味があり、そこに存在する干支が、それを物語っています。