【四柱推命】通変星についてー5、印星
通変星とは、自分自身を表す日干と他の干との関係から算出されたものを言います。その際、 干同士の関係を 通変星 に置き換えて、その方の命式の判断をします。今回は、「財星」についてです。 通変星には、10種類があります。 通常、2つずつ組み合わせて呼びます。今回は、「印印星」ー「印綬星、偏印星」について述べて行きたいと考えております。
通変星には、以下の10種類があります。
通常、2つずつ組み合わせて呼びます。
比劫(ひごう)・・・比肩・劫財(ごうざい)
食傷(しょくしょう)・・・食神・傷官
財星(ざいせい)・・・偏財・正財
官星(かんせい)・・・偏官・正官
印星(いんせい)・・・偏印・印綬
今回は、「印星」についです。
この印星は、ちょうど、日主(比劫)から見れば、自分を生み出す母親のような存在です。
また、逆に「印星」から言えば、日主からエネルギーを奪われる、とも言えます。
具体的に図示してみます。下記の図の、一番上の頂点に位置するのが、日干(日主)です。
官星は、比劫のひとつ前に位置します。図で言うと、一番左側になります。
色が違うのは、日干の五行が、「どの気」であるかによってスタートの日干が決まるからです。
印星の中での、「偏印、印綬」の分け方ですが、
御自分の命式の生日から見て、印星の場所に同じ五行の陰陽の干があるならば、偏印と呼びます。
陽干・・・甲、丙、戊、庚、壬
陰干・・・乙、丁、己、辛、癸
御自分の命式の生日から見て、印星の場所に違う五行の陰陽の干があるならば、印綬と呼びます。
例えば、生日「水気」の方がおられるとします。
時柱 | 日柱 | 月柱 | 年柱 | |
壬(陽干) | 辛 | 庚 | 干 | |
支 |
月柱に「辛ー陰干」があるので、「日主ー壬」から見て、同じ陽干では無く、違う陰干になるので、それは「印綬」となります。
年柱に「庚ー陽干」があるので、「日主ー壬」から見て、同じ陽干になるので、それは「偏印」となります。
この方の命式の場合、庚、辛と言う「金気」は、条件によりますが、身旺であれば、赤色の「火気ー丙、丁」とか、条件によっては茶色の「土気ー戊」ならば、とても良い組み合わせです。身弱であれば、水色の「水気」とか、金色の「金気」ならば、とても良い組み合わせです。
例えば、生日「辛」の方がおられるとします。
時柱 | 日柱 | 月柱 | 年柱 | |
癸(陰干) | 辛 | 庚 | 干 | |
支 |
月柱に「辛ー陰干」があるので、「日主ー癸」から見て、同じ陰干になるので、それは「偏印」となります。
年柱に「庚ー陽干」があるので、「日主ー癸」から見て、同じ陰干では無く、陽干になるので、それは「印綬」となります。
この方の命式の場合、庚、辛と言う「金気」は、条件によりますが、身弱であれば、水色の「水気」とか、金色の「金気ー庚」ならば、とても良い組み合わせです。その場合、金生水の相生の関係となります。
今回は、分かりやすいように、干支の「干」のみで説明しましたが、支も干に置き換えられます。
(この場合、蔵干-ぞうかんと呼ばれます。支が内包している干の事です。)
そして、四柱全てを最終的に五行に置き換え、その強弱を見る際に、「通変星」を用います。
上記のような五行の命式になった場合、緑色の「食傷」、金色の「印星」が弱い。自分自身を表す水色の「比劫」が弱い身弱の方です。官星の相剋から身を守るには力が足りません。
故に、先ず水色の比劫「水気」を強めた方が良いです。相剋(土剋水ーどこくすい・・・土が水を濁らせたり、堰止めたりする。)する官星が強すぎて、自分自身を抑圧してくる存在となります。その次に、金色の「印星」を採ることが、開運となります。
そのためには、「大運」、「歳運」が、例えば、今、
「土気の時期」なので、官星の重圧を避けるために、精神的な充実(趣味など)を計る、
「水気の時期」なので、対外的に打って出て思いっきり行動する。
と言う風に、巡りくる時間がもたらす「気」を予測して行動するのが、開運の秘訣です。
または、身近な人の命式を知ることにより、その人が「水気や金気」が多ければ、自分を助けたり高めてくれる人かどうかもわかります。また、「土気や火気」の多い方を避けた方が、人間関係がスムーズに行きやすいです。
そういう風に鑑定していきます。
印星は、日干(日主)のひとつ前に位置しますので母、庇護者、神仏、学習、学問を意味します。
多すぎたり、少なかったりすると、逆に、「何事も人任せ」にしたり、「狭い世界」に執着したり固執することがあります。
よく印綬が名誉の星で良くて、偏印は、あまり良くないと言いますが、そういう事はありません。字面だけで判断してはなりません。
その際、偏印、印綬が、日柱に対し、どう働くかは、各柱にある干と支(この場合、蔵干と呼ばれます。)によって、全て違ってきます。今回の例で取り上げた「日主が水気の壬、癸」に於いて、
日主:壬と、印星が庚・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。
日主:壬と、印星が辛・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。
日主:癸と、印星が庚・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。
日主:癸と、印星が辛・・・それが、年柱にあるのか、月柱にあるのか、時柱にあるのか。
日主と、印星の五行の干が、どの柱に存在する場所かによって、その働きも違います。
自分を知る。そのための占いです。
単純な占い方(例:生日のみで占う)では、本当の運命、運勢は分かりません。
四柱全てに意味があり、そこに存在する干支が、それを物語っています。