【四柱推命】天干・地支物語ー蔵干を探せ!(1:東方合の物語)
四柱推命は、森羅万象を「陰陽五行」で言い表す占術です。命式(生年月日から作成した人生の見取り図)は、「天干=十干」と「地支=十二支」で構成されています。今回から、シリーズで、天干と地支について見て行きたいと考えています。第1回目は、「天干・地支物語ー蔵干を探せ!(1:東方合の物語)」です。
ある時、神様でもある「伏羲(ふくぎ)さん」は考えました。
十干も十二支も、毎日、良く働いておる。
どれ、久しぶりに、皆で集まって親睦を深めるための慰労会でもしてやろうかのう。・・・
そこで、伏羲さんは、十干たちに声を掛けました。
甲 木気・兄 | 乙 木気・弟 | 丙 火気・兄 | 丁 火気・弟 | 戊 土気・兄 | 己 土気・弟 | 庚 金気・兄 | 辛 金気・弟 | 壬 水気・兄 | 癸 水気・弟 |
そして、伏羲さんは、十二支たちにも声を掛けました。
子 12月・冬 | 丑 1月・冬 | 寅 2月・春 | 卯 3月・春 | 辰 4月・春 | 巳 5月・夏 |
午 6月・夏 | 未 7月・夏 | 申 8月・秋 | 酉 9月・秋 | 戌 10月・秋 | 亥 11月・冬 |
さぁ、みんな集まって来ました。
ワイワイガヤガヤ、賑やかな様子です。
今年は、2023年だから、私の年よ。へへへ、・・・いいでしょ~~~!
あ、そうなんだ。でも、今年は、僕の年でもあるんだよ~~~~!
2023年は、正式名称の干支で言うと、「癸卯(みずのとう)」だよ。
忘れないで~~~~!
ほう、・・・二人とも、気合十分じゃな。
良き哉(かな)、良き哉。・・・
さて、今日、お前たちに集まって貰ったのには、訳がある。
日頃の活躍に対し、わしからの感謝として、ささやかながらの祝いの場を設けせてもろうぞ。
加えて、今から、お前たちにゲームをして貰って、勝者には、豪華な御褒美を与えるつもりじゃよ。
ひゃっほぅ~~~~!
カモ~~~~ン!
ははは、・・・焦るでないぞ。
先ず、お前たちは、「干支」じゃから、「十干」と「十二支」の二手に分かれてもらう。
そして、五行から考えて、互いの五行が同じもののグループを作ってもらうぞ。
椅子取りゲーム形式だから、早い者勝ち。
間違って座ると、減点じゃ。
では、第一問じゃ。
「木気」のグループを明らかにするぞ。
十干の中で、「木気」は2つある。
十二支の中で、「木気」は、5つあるが、3つしか椅子は用意されていないぞ。
それ、スタートじゃ~~~~~~!
十干と十二支たちは、一斉に駆け出しました。
すると、十干の「甲」が言いました。
おい、弟、すぐ行くぞ。
走れ~~~~~!
兄ちゃん、待ってぇ~~~~~!
こうして十干の方の椅子は、「甲」、「乙」が埋まりました。
それを見ていた十二支の方で、先ず、走り出したのは、午でした。
流石に、「万馬奔騰(ばんばほんとう)」と言われる「午」です。
真っ先に駆け出し、一番乗りで座りました。
すると、伏羲さんが言いました。
はい、ブ~~~~。
午は、「丙、丁、己」の火気、土気とがある蔵干の持ち主じゃ。
早く座れば良いものじゃなかろうに。・・・
午よ、減点じゃ。
午さんは、うなだれて元の位置に戻りました。
すると、いつのまにか、最初に椅子に座っていたのが、卯さんでした。
神様~~、僕、合っているでしょ。
僕の蔵干は、「甲、乙」の両方ですよね。
何しろ、「卯」は、
東を意味し、季節は、春の3月。
そうじゃ、そうじゃ。
流石に、木気の「正支=旺支(最も力量の強い支)」じゃ。
さぁ、後は、2つの椅子があるぞ。
次は、誰が座るんじゃ?
すると、寅さんが、駆け出して行きました。
へっへへ~~~。
うさぎさんが来るなら、僕が、その横に居なければ、釣り合いが取れません。
何しろ、「寅」の蔵干は、「甲、丙」で~す。
ほっほう~~~。
その通りじゃよ。
となると、後ひとつは、何になるかな?
他の十二支たちは、分かっておるかな?
私は、違うわ。
あ、僕だ。僕だよ~~~~。
僕だって、蔵干は「甲、壬」だよ。
そう言って、いのししさんは、椅子に座りました。
すると、伏羲さんが言いました。
あ~~~、残念じゃ。
お主が、寅より早く座っていれば、良かったがのう。
先に座った「寅、卯」は、「東方合」の組み合わせじゃよ。
「東方合」に、いのししの居場所は無いぞ。
え~~~~~、僕には、「甲」があるのに、・・・・・
さっさと、猪突猛進しておけば良かったんだ。・・・・
そうして、いのししさんは、うなだれて元の場所に戻って行きました。
すると、辰さんが、ぴょーんと椅子を目掛けて飛んで行きました。
ひゃ~~~、俺様、俺様だったよ。
すっかり、俺様の蔵干を忘れていたよ。
「乙、戊、癸」だったよ。
これで、5つの椅子が埋まりましたよね、伏羲様。
みんな、これからも宜しく~~~~~!
そうじゃな。
「東方合」は、木気の中でも、最強の強さの十二支たちじゃ。
さて、最終確認じゃが、十干や十二支たちも、己を表す「字」について、きちんと認識しておかねばなるまいぞ。
僕は、象形文字では、「亀の甲羅」の形から来てるよ。鎧とか爪とか言う意味もあるよ。
そこから、「種子」が、硬い殻に覆われた状態と似ているので、物事の最初の順番となったんだ。
僕は、象形文字では、「曲がる、かがまる」の形から来ているよ。
種が、殻を破って成長していく様を表しているんだ。だから、2番なんだ。
僕は、象形文字では「弓矢を引っ張る、伸ばす」の形から来ている。
物事が速やかに滞りなく進む様を表しているんだ。
でも、僕は、元々は、同音の仮借(当て字)の文字として、また、皆が覚えやすいように動物として用いられた文字なんだ。
僕は、冬が終わり、万物が命を盛んにする春の初めに相応しい文字だよ。
だから、蔵干として、「木気=種子から成長して行く【甲】」と、「火気=太陽の暖かさの【丙】」があるんだ。
月・・・2月
時間・・・午前3~5時
方位・・・東北東
僕は、象形文字では「同じものを左右対称に置いた」形から来ている。
そこから、「門が開き、新たなものが飛び出す」とされて、皆が覚えやすいように、僕のようなすばっしこい動物に、当てはめられたんだ。
僕は、春の中央=旺であるから、蔵干として「春=木気=種子から成長して行く【甲】と、時には曲がりながらでも大きくなっていく【乙】」があるんだ。
月・・・3月
時間・・・午前5~7時
方位・・・東
俺様は、象形文字では「二枚貝が、殻から足を出す」形から来ている。
「蜃(シン)」が元字だ。
貝殻は、昔、農具としても用いられたんだ。農業は、国の基本だし、それを本格的にスタートする時期に相応しい字だ。
また、辰と言う字は、古代中国では四獣の最も強い龍としての動物としても使われるようになった。
俺様は、春の終わりだから、蔵干として「木気=時には曲がりながらでも大きくなっていく【乙】」と、「水気=雨水の【癸】」と、「土気=次の季節への橋渡しとしての土気=硬い土である【戊】」があるんだ。
月・・・4月
時間・・・午前7~9時
方位・・・東南
よし、よし、皆、上手にプレゼン出来ていたな。
お前たちは、土気の辰を除いて、五行では、
五臓・・・肝臓
五腑・・・胆
五常・・・仁(思いやり、愛)
五色・・・青
五味・・・酸
を意味しておる。
重々、それを忘れるでないぞ。
では、第一試合は、ここまでじゃ。
次を楽しみに待っておるんじゃよ。
さらばじゃ。・・・・・
そう言って、伏羲様は、5つの干支たちに御褒美の大きな箱を与えて、どこかに行ってしまいました。
う~~~ん、何か、俺様だけ、仲間に居るようで居ないようで、複雑だな、・・・・
まぁ、次回、伏羲様に聞いてみるとするか・・・・・
それより、御褒美、御褒美、・・・・・
その後、今回の「木気=東方合」グループの5つの干支たちは、御褒美の箱を開けて吃驚!
それは、酸味のある春の果物のセットでした。
「いちご、甘夏、オレンジ、デコポン、夏みかん、はっさく、グレープフルーツ、キウイ、びわ、メロン」が、どっさり入っていて、皆は、心ゆくまで食べることが出来ました。
それを羨ましそうに見ていた、他の干支たちの中の「子(ねずみ)」さんは、
僕の出番が来たら、チーズセットかな~~~~?
早く出番が来ないかな~~~~~~。
とつぶやきました。
さぁ、次の試合が楽しみですね。