【四柱推命】対冲の働きー悪い作用を転換させるには?

四柱推命では、一般的に「対冲」ー「干支の支に於いて、その支と180度反対側の支を言う」は、悪者扱いされますが、例外の用い方もあります。今回は、弁天様と、紫式部様にお越し頂いての対話です。

磁石は、N極とS極が互いに引きつけ合います。そのように、干支の支の間でも、同様の事が起こります。

私、どうして、あのような人生を選んでしまったのでしょうか?

ほほほ、・・・紫式部様ともあろう御方が、そのような事を仰られるのは、如何なものかと。・・・・

私とて、公私共に、充実した人生を終えたのではありません。
それは、弁天様が、良く御存じのはずでは・・・・

そうですね。・・・あなたの事は、良く存じ上げております。
平安時代、都に於いて、異彩を放った御活躍をされた方ですもの。
でも、紫式部様、人は、皆、自分に無いものを求めますから、そういうお悩みは、致し方ありませんのでは・・・。

誠に、同感です。
私が、あれだけの膨大な量の作品を書き上げられたのも、自分自身の中の空虚な思いを昇華させたかったからかも知れませんね。

紫式部様は、恐らく、身旺の方だと推察されます。もし、御自身の「私」の部分を幸せに為さりたかったら、「対冲」を御取りになれば良かったかも知れません。

「対冲」と言うのは、何ですか?
字面から考えるに、「相手を攻撃する」と言う感があります。

流石は、紫式部様。良く御存じです。
対冲とは、干支の支の部分で、180度正反対の位置の支を言います。
例えば、「子」に対しての「午」、「卯」に対しての「酉」ですわ。
命式に於いて、身旺の方ならば、生年月日の、ある柱に対し、対冲の支を意識して取るようにすれば、「私」の部分の幸せを求めやすくなります。

本当ですか?
もっと早く知りたかったことですわ。私と夫・藤原宣孝殿とは、3年間しか御縁がありませんでした。その後、彰子様にお仕えするために、宮中へ出仕致しましたが、「源氏物語」の執筆の事もあり、自分だけの時間を持てるようなものではありませんでした。藤原道長様とも、世間からは噂されてはおりましたが、私にとっては、迷惑な話でした。おそらく、私の運命は、四柱推命とやらでは、「公」が「私」に勝っていたのでしょうね。

そうとも言えますね。あれほどの大事を成し遂げた御方ですもの。
人は、皆、己の人生を豊かにするために、目標や目的を持つものです。
あなたは、それを立派にやり遂げられたではありませんか?

そうですね。そう言えるかも知れません。
でも、私の残した「紫式部日記」や「紫式部集」を読んで頂ければ、心の安寧を常に望んでいたことがお分かりになられるかと思います。

あなたは、平安時代の方ゆえ、もう助言は出来ないのが残念です。
四柱推命にせよ、他の占術にせよ、占いの真の目的とは、己の長所、短所、使命、などを知ることです。
そして、それを上手く活かして、生きていくことです。
紫式部様、また、いつか、お会いして、今度は、文学談義を致しましょうね。

ほほほ・・・楽しみな事ですわ。
では、その時をお待ちしております。
今日は、ありがとうございました。
弁天様の、今後のご活躍をお祈り致します。