【気学】伏羲(ふくぎ)さんに聞きましたー2:「先天八卦」と「後天八卦」とは?
今回も、伏羲(ふくぎ)さんと気学を学んでいる男性との対話です。前回の八卦「東=震」の関係の続きとなりますが、なぜ、八卦の図には、2種類あるのでしょうか?「先天八卦」、「後天八卦」についての相違点、共通点に関する話題です。
こんにちは、・・・伏羲(ふくぎ)様。
今日も、宜しくお願い致します。
今日は、前回の続きで、お伺いしたい事があります。
何じゃ?
言ってみるが良い。
あのう。
八卦は、伏羲様が作られたものではありますが、
どうして、2種類、あるのでしょうか?
ふむ、・・・なかなか良い質問じゃ。
答えてやろうかのう。
さて、わしが作った八卦は、自然現象を「爻(こう)-陰陽を表す記号」で表すのは、以前、伝えた通りじゃ。
その際、天地創世の順序に従って配置されておる。
天地創世ですか?
え~~と。陰陽の考え方では、
太極(たいきょく)→両儀(りょうぎ)→四象(ししょう)ですね。
良いぞ。良いぞ。
そうじゃ。
天地の始まりの混沌とした状態が、太極(たいきょく)。
それが、陰陽2つに分かれた状態が、両儀(りょうぎ)。
両儀それぞれから、また、新たに陰陽2つに分かれた状態が、四象(ししょう)。
四象それぞれから、また、新たに陰陽2つに分かれた状態が、八卦なんじゃ。
上の図のようになるのが、八卦と言うものじゃ。
そして、八卦の順序は「乾(けん)・兌(だ)・離(り)・震(しん)・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)」となる。
最初は、最も陽が強い「乾」から、次第に弱くなっていく順序じゃ。「乾」は、天じゃぞ。太陽じゃ。
最後は、最も陰が強い「坤」じゃ。「坤」は、地じゃぞ。
どうじゃ、良く出来ておるじゃろ?
ほ、本当に、そうですね。
「爻(こう)-陰陽を表す記号」が、綺麗に繋がっていくのですね。
ふぉふぉふぉ、・・・
何しろ、わしの自信作じゃからのう。
さて、もう一つの八卦は、何が基準としての順序じゃと思うかのう?
え、え~~~と。・・・・
宇宙創世では無いとしたら、一体、何だろう?
自然現象の順序では無くて、・・・人間の順序?・・・かな?
おおぉ~~~、良いぞ。
誠に教え甲斐があるもんじゃ。
人間の順序。
そうじゃ。
違う言い方で言えば、「道徳」や「倫理」になるのう。
わしより後の時代に、周の文王と言う者がおる。この文王が作った八卦を言うんじゃ。
その後、魯(ろ)の孔子が書いた易の解説書である「易経ー十翼(じゅうよく)」説卦伝(せっかでん)には、「父・母-長男・長女-中男・中女-少男・少女」と言う「生成論」と言うものが書かれている。
簡潔に言えば、人が、新たに生まれる、その順序じゃな。
その後、南宋の朱熹(しゅき)がのう、わしのを「先天図」、文王のを「後天図」と名付けたのじゃ。
じゃがな、実際の、わしの「先天図」は、北宋の邵雍(しょうよう)の創作と推測されているがのう。
何しろ、長い、長い、時を経て、多くの者たちの叡智を結集して、2つの図が出来ておるのでな、・・・諸説あるんじゃ。
と言うことは、後天図では、陰陽から見て、
父親が「天」で、母親が「地」ですね。
そして、子供が生まれる。
その順序を、「爻(こう)-陰陽を表す記号」で表しているのですね。
そうじゃ。「爻(こう)-陰陽を表す記号」は、3本の線じゃ。一つの卦は、下から上へと見て行くので、
長男は、男なので、一番下が「陽」となる。
長女は、女なので、一番下が「陰」となる。
そういう順序で、子供の順序も決められていく。故に、
八卦の順序は、
「乾(けん)・父、 坤(こん)・母、
震(しん)・長男、 巽(そん)・長女、
坎(かん)・次男、 離(り)・次女、
艮(ごん)・三男、 兌(だ)・三女」じゃ。
そこに、自然の卦も合わせて、八卦の象意としておる。
後天八卦が、占いに用いられるのは、そのせいじゃ。
今日は、有難うございました。
一層、八卦についての理解が深まりました。
また、次回、お会いするのを楽しみにしていて良いですか?
勿論じゃ。
人の生は、有限。
じゃが、こうして、生み出された易の哲学は、世代から世代へと受け継がれて行く。
お前も、易に対しては、今後も「温故知新」であって欲しいのう、・・・
では、またな、・・・・待っておるぞ。