【四柱推命】空亡物語1-「今年から〈空亡〉ですが、どうしたら良いですか?」

四柱推命が誕生してから、その後、様々な研究が為され、発展して来ました。その中でも、題名に挙げている「空亡(くうぼう)」と言うのは、良く知られているものです。今年2022年は、「寅年」になりますが、「寅卯」空亡の方は、どうすれば良いのでしょうか?さて、今回のお悩みに、弁天様は、どう解答するのでしょうか?

弁天様、こんにちは。
今日は、御相談があって、ここに来ました。
是非、お願い致します。

はい、こんにちは。
あなたの相談とは、一体、どのようなものですか?

実は、先日、鑑定をお願いした占い師さんから言われた事なのですが、私の命式は、今年の2月から、2年間、歳運の「空亡」があるそうです。
空亡と言うのは、良くないと言われてますが、私、どうしたら良いのでしょうか?

そうですね。

簡潔に述べると、陰陽五行説で森羅万象を解説する東洋系の占術では、「十干十二支」を使用します。
その際、「十干」は10進法、「十二支」は12進法となるので、「十干十二支」の組み合わせでは、「2つ」のずれが生じます。
「十二支」側のずれを「空亡」と呼びます。
命式の「日主干支」から算出しますが、それには、6種類ー子丑、寅卯、辰巳、午未、申酉、戌亥ーの6種類があり、歳運で見れば、誰もが、12年間のうちに該当するものです。

確かに、「空亡」と言うのは、読んで字の如く、「そらなき」や「むなしくほろぶ」と読めるので、良くないイメージがある事は事実ですね。
天干が無いので、「(地支が)あって(も、天干と結びついていないので、その働きは)無きが如し」とされ、 不安定な時期だと解釈されています。
算命学や六世占術などでは「凶象」として見ますが、四柱推命では、算命学とは少し違った見方をします。

ところで、「空亡」は、歳運だけなのでしょうか?

いいえ、違いますよ。
「空亡」には、見る時期によって、「空亡」にも5種類の時間の長さの違いがあります。

四柱推命では、人の人生を120年と設定します。
自然に「春夏秋冬」があるように、30年毎に4つの接木運「春ー寅卯辰、夏ー巳午未、秋ー申酉戌、冬ー亥子丑」として区切ります。四季の推移と同様、命式の中での各季節の切り替わりの際、注意が必要とされています。

その上で、「空亡」の時期を、
10年毎の大運空亡→「子丑」空亡ならば、大運に「子」、「丑」が巡る合計20年間が該当する。
1年毎の歳運空亡→「子丑」空亡ならば、歳運に「子」、「丑」が巡る合計2年間が該当する。
月毎の月運空亡→「子丑」空亡ならば、月運に「子」、「丑」が巡る合計2月が該当する。
日毎の日運空亡→「子丑」空亡ならば、日運に「子」、「丑」が巡る合計2日間が該当する。
その日の2時間ごとの時運空亡→「子丑」空亡ならば、時運に「子」、「丑」が巡る合計4時間が該当します。

えぇ~~~~、そんなに、「空亡」の時期って、あるのですか?・・・

ほほほ、・・・大丈夫ですよ。
注意するのは、歳運、大運以上ですよ。
あまり短い単位まで考慮すると、「占いに、心が囚われてしまいます」よ。

占いの本質を考えて下さいね。
占いは、先の事を考える際には、「羅針盤」になるものですよ。
受験ではありませんが、「傾向と対策」なのですよ。

あ、ちょっとだけ安心しました。
でも、私の場合、「歳運の空亡」で、2年間です。
2年間、じぃっ~~~としといた方が良いのですか?

もし、大運空亡ならば、20年間、どうすれば良いのですか?

まぁ、何と言うことを仰るのですか?
「歳運空亡」の2年間、引きこもれば、災いを避けられると思ってらっしゃるようですが、現実には無理な過ごし方ですよ。まして、「大運空亡」の20年間などは、引きこもることさえ不可能ですよ。

また、「空亡」とは、悪い事が起こるとは限りません。
「空亡」の特徴として、不安定を意味しますので、それまでと違った環境に置かれる場合や、行動せざるを得ない機会が訪れます。なので、それを活かすようにすれば良いのです。
その際、自分の命式や大運も加味して考えて行かねばなりません。

つまり、「空亡」があっても、チャンスとして捉えると言うことですか?

そうです。
例を出してみましょう。

Aさんは「寅卯」空亡の方だとします。
あなたと同じ今年の2月から、2年間が「空亡期」になりますね。

金身弱2
Aさんの命式(日主:金気、身弱)

今年、来年と「寅卯」で「木気」が増えます。すると、どういう事になりますか?

え~~~と、・・・
緑色の財星「木気」が大きくなり、青色の食傷星から赤色の官星へと、流れが良くなります。
日主の「金気」は、小さいままですね。

そうです。
歳運の「木気」が加わり、非常にバランスの良い命式となります。
もし、大運が「金気」だと、更に良い命式となります。
大運が「金気」以外だと、どの気が来るかで評価は変わります。

では、こちらの、「寅卯」空亡の、Bさんの命式は、どうでしょうか?

土気身弱
Bさんの命式(日主:土気、身弱)

Bさんは、緑色の官星が、より大きくなりますね。
大丈夫でしょうか?

歳運のみで考えると、寅卯の「空亡」の時期は、仕事面での重圧が予測されます。
もし、大運で「火気」、「土気」、「金気」が巡っていれば、官星からの日主への「相剋」も、多少は和らげられるのですが。・・・
しかし、大運で、それ以外の気が巡っていると、やはり、Bさん自身は、精神的に辛いでしょうね。

そうなんですか。
つまり、命式に、大運と歳運を加えて考えると、人それぞれ「空亡」の意味が違って来るのですね。
「空亡」がプラスになる人も居れば、マイナスになる人も居る、と言うことですね。

「空亡」が、不安定なものを意味するからこそ、恐らく、吉凶がはっきりと出やすくなるのではないでしょうか。
「空亡期の十干十二支」が、自分の命式にとって有用なものであれば、臆せず行動すべきです。逆に無用なものであれば、注意して行動すべきです。

「空亡」であるかどうかに一喜一憂するのでは無く、自分の命式にとって、大運、歳運の「十干十二支」が、どう影響を与えるのか、と言う観点から検討して頂きたいものです。

今日は、本当に有難うございました。
お話を伺って、気持ちの中のモヤモヤしたものがスッキリした感じがします。
家に帰って、自分の命式を再度、見直します。

ほほほ、・・・・そう言って頂けると、嬉しいです。
それでは、また、お会いしましょう。