【四柱推命】+【気学】「十干・十二支」物語1:”十二支さん達”の集いー2022年と言う年(前編)

四柱推命は、十干と十二支を基とする占術です。十干には、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」があります。十二支は、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・亥」です。しかし、十二支には、「蔵干(ぞうかん)」と言って、それぞれの十二支には、決まった「干」が内包されています。今回は、来年2022年の「十干」と「十二支」の関係について、物語の形で述べて行きたいと思います。

昔、昔、ある所に、大きな川が流れていました。

川は、いつも同じ所に居るのが飽きてしまいました。

そこで、弁天さんにお願いしました。

弁天様、僕は、旅に出たいです。
だから、動けるようにして下さい。
広い、広い、世界を見てみたいんです。

ほほほ、・・・
そのお気持ち、わかりますよ。
それでは、今から1日だけ、自由に動けるようにしてあげましょう。

そこで壬(みずのえ)さんは、「大きな水の玉」に姿を変えて、生まれて初めて、大地を離れ、動くことが出来ました。

ふわふわと空に浮かびつつ進んでいると、見るもの全てが新鮮です。

ふぅ~~~、進むと景色が変わる。
凄いや。
僕は、今まで何も知らなかったんだな。

すると、そこに、一匹の「亥=猪(いのしし)」が、行く手を塞ぎました。

何じゃ、お前。
邪魔、邪魔。
俺は、忙しいだよ。
どいた、どいた。

ひぇ~~~、猪が喋っている。

お前だって、喋っているじゃないか。
俺は、今から、寄り合いがあるんだよ。
端っこを歩いてくれよ。
お前、でかいし。
邪魔なんだよ。

どこに行くんですか?
僕も、付いて行っていいですか?

はぁ~~?
俺は、今から「十二支の集い」があるから、先を急ぐんだよ。
お前の事なんて知らないよ。
お先に~~~~。

亥(いのしし)さんは、そう言ってサッサと先に行ってしまいました。

壬(みずのえ)さんは、なぜか「十二支の集い」と言う言葉が気になって、後を追うことにしました。亥(いのしし)さんの残した足跡を追いながら、一生懸命、進みます。

すると、小高い丘の上に、何やら動物たちがいます。

みな、ガヤガヤと喋っています。「壬(みずのえ)」さんの存在に気づいてもいません。

もう12月だ。俺の年も、もうすぐ終わるよ。
旧暦だと、後2カ月も無いよ。
寂しいなぁ・・・・

あ~~~~、早く、来年にならないかな。
僕の年まで、後2カ月。
もう、待ちきれないよ~~~~~。

俺なんて、まだまだ先だぜ。
いいなぁ、寅君は。・・・・・

小高い丘の上で、12匹の動物たちが、車座になって、ガヤガヤと話し合っています。

少し離れた所から、その様子を窺っていた壬(みずのえ)さんは、本当にびっくりしました。

すると、何処からともなく、一陣の風が吹き、厳かな音楽と共に、重々しい声がしました。

お前たち、今日は、良く集まってくれた。
では、今から、来年の事を話そう。良いかな?

声の主の姿は、見えません。でも、12匹の動物たちは、深く頭を下げ、大人しく、その声に聴き入っています。

壬(みずのえ)さんは、辺りを見回しました。

でも、誰も見当たりません。

声だけが、聴こえてきます。

何処からともなく聴こえてくる声は、続けて言いました。

さぁて、もうすぐ暦が切り替わる。
お前たちは、ちゃんと準備しておるかな?

12匹の動物たちは、一斉に答えました。

「勿論ですとも!」

では、問うぞ。来年は、誰の年じゃな?

「ははぁ、私めの年でございまする。」

虎(寅)が、頭を挙げて答えます。

そうじゃな。お前の年じゃ。
さて、お前の使命は、何か分かっておるか?

はい。
私の「寅」と言う字は、十二支の順番で言うと、3番目。
五行で言うと、「木気」の始まりの「生支」です。
だから、季節は、春の初め。旧暦だと、1月。太陽暦だと、2月となります。
方位は、東北東です。

ほう、良く分かっておるな。
では、お前の「寅」の字の由来は、分かっておるか?

はい、それも承知しております。
両手に弓の矢を持ち、引っ張る形から来ております。
故に、「伸ばす」、「引き絞る」と言う意味を持ち、そこから、春の植物たちが、伸び始めると言う「木気」の意味を持つと言われています。

おっほん。・・・正しいぞ。だが、もう少し、尋ねてみよう。
さて、お主の字の横に、「虫」を付けると、どうなる?

虫+寅、ですか?・・・・はて、・・・・?

ははは、・・・・螾と言う字は、ミミズじゃよ。

えぇ~~~~、ミ、ミミズですか?・・・・
あんな奴と同じにしないで下さい。

何を偉そうに言うのじゃ。ミミズは、生命力の強い生き物じゃぞ。土の中で、有機物を食べ、排泄する事によって、栄養豊富な腐植土を生み出してくれる、正に、土を生み出してくれる、有難い存在じゃぞ。
ミミズは、秋に産卵し、春に孵化し、夏に成虫となる。まさしく、春からが、本格的な活動期じゃ。
ミミズあってこそ、作物が育って行くのじゃ。お主は、今後、ミミズを見たら、友とせねばならんぞ。

ひゃぁ~~~、ミミズは、私の仲間なのですか。・・・・何か、複雑な気持ちです。

ははは、・・・では、もう一つ尋ねよう。
お主は、十二支であるが、蔵干で見れば、何を持っておるかな?

はい。
蔵干として、「丙」、「甲」です。その中でも、強いのが「甲」です。だから、木気に属しています。
2019年から2021年までは、「水気ー亥、子、丑」の年でしたが、来年の2022年から2024年までは、「木気ー寅、卯、辰」の年です。
物事の成長、発展に相応しい年となります。

よし、いいぞ。では、最後に聞くぞ。
来年2022年、お主とペアを組む十干は、何じゃ?

えぇ~~~~、そんな事、考えた事がありませんでした。
一体、誰だろう?

すると、姿を現さない声の主が、言いました。

これ、そこに隠れている、大きな水の玉。出てきなさい。

この声に、誰にも見つかっていないと思っていた壬(みずのえ)さんは、びっくりしました。

でも、仕方ありません。

おずおずと、十二支さん達の前に、進みました。

みんなも、突然、現れた「大きな水の玉」を見て、びっくり。

さて、さて、この後は、どうなるのでしょうか?

後編に続きます。