【四柱推命】ー「対冲」物語1:四旺の冲1:「子(水)」と「午(火)」ー「水火激冲(すいかげきちゅう)」+「天戦地冲(てんせんちちゅう)」

四柱推命に於ける、干支の互いの関係性を表すものの中で、「相生」、「相剋」、「支合」、「対冲」と言う4つの言葉は、最も良く見受けられるものです。今回は、その中で、十二支相互の間での「対冲」である「子」と「午」ー「水火激冲(すいかげきちゅう)」+「天戦地冲(てんせんちちゅう)」について、具体的な事例を基にして考えてみたいと思います。

弁天様、こんにちは。

弁天様、こんにちは。

はい、こんにちは。
あら、今日は、御二人しての来訪ですか。
何かあったのですか?

実は、彼とは友達ですが、
前から、彼と一緒に居ると、なぜか、一方的に言い負かされます。
それで、互いの命式を見て頂きたいと考えております。
どういう理由で、いつも、私が負けるのかな?と思って確認したくて来ました。

僕は、そうは思ってませんよ。
何だか、無理やり連れて来られた感じです。

ほほほ、・・・
それは、面白いですね。
では、あなた方の命式を見てみましょうね。

時柱日柱月柱年柱
男性の命式
時柱日柱月柱年柱
女性の命式

互いの相性を見るため、今回は、日柱を重視して見て行きます。
この柱は、日主とも言いますが、性格や配偶者を見る所です。
天干も大事ですが、先ず「地支」から見て行きましょうね。

僕は、「午」ですね。
蔵干が「丙、「丁」、「戊」と火気が非常に盛んな十二支です。
情熱的な性格の持ち主と言って良いですよね。

私は、「子」です。
蔵干が「壬」、「癸」の水気ですね。
クールな性格でしょうか?

ほほほ、・・・
御二人の言葉で間違いはありません。

それでは、次の図を見て下さい。
どのような事がお分かりになられますか?

図12支
十二支図

あ、彼の「午」とは、正反対の所に、私の「子」が居ます。
だから、性格的に合わないのですね。

今回のあなた方のような十二支同士の関係を「対冲(たいちゅう)」とか「冲」と言います。
正反対の場所に位置するので、互いを攻撃する、と言うものです。

冲には、様々なパターンがあります。
大別すると、「四旺の冲」、「四長生の冲」、「四墓の冲」の3種類です。
特に、「子」=「水気」、「午」=「火気」なので、対冲の中でも、特に激しいものとなるので、他の呼び方として「水気激冲(すいかげきちゅう)」と呼ぶ場合もあります。
五行の相生・相剋で言うと、「水剋火(すいこくか)」ですね。

「水が、火を消してしまう」と言う関係です。

十二支と、それに伴う五行の両方で見ても、「相性」が悪いのですね。
やっぱり、・・・・・納得します。

でも、いつも私の方が、弱い立場なのは、どうしてですか?
本来なら、私の方が、強いはずなのに・・・・?

ほほほ、・・・・
あなたの御気持は分からないではないのですが、命式の中の「各通変星の力量」を加味して考えて行かねばなりません。

下の図を御覧なさい。
どう思われますか?

男性の命式ー日主「火気」身旺
水気身弱官小
女性の命式ー日主「水気」身弱

おぉ~~~~、正に僕は、燃える男です!

男性の方は、日主の「火気」が強い「比劫星」が突出した「身旺」です。
女性の方は、日主の「水気」が弱い「食傷星」、「財星」が強い「身弱」です。
これを見る限り、日主の力量は、男性の方が優位ですね。

本来の「水火激冲」が、逆になっています。
火の勢いが強すぎて、水を掛けても消せない状態と言う事になります。

く、悔しいです!

本当なら、私が彼をやっつけられたのに。・・・・

弁天様、あのう、質問があるのですが、・・・・

日主の「支」で相性が悪いのは分かりますが、「干」の方は、どうですか?

はい。
今までは、日主の「地支」のみで説明させて頂いてますが、
もし、日主の「天干」が、次のようなものになれば、もっと危険と言えますよ。

時柱日柱月柱年柱
①庚
②辛
③壬
④癸
⑤甲
⑥乙
⑦丙
⑧丁
⑨戊
⑩己
男性の命式
時柱日柱月柱年柱
①甲
②乙
③丙
④丁
⑤戊
⑥己
⑦庚
⑧辛
⑨壬
⑩癸
女性の命式

上記の表は、「天戦地冲(てんせんちちゅう)」と呼ばれるものです。
天干同士が、「相剋」の関係にあるものです。
互いの番号同士が、対応する関係となります。
①と②は、金剋木
③と④は、水剋火
⑤と⑥は、木剋土
⑦と⑧は、火剋金
⑨と⑩は、土剋水

もし、この①~⑩が、互いの天干にあれば、より気を付けねばなりませんね。
天干、地支ともに、剋し合うと言う事になりますね。

はぁ~~~、なるほど。そういう事もあるのですね。

「対冲」や「水火激冲」であっても、私のように、日主の「比劫星」の力が弱いと駄目なんですね。
おまけに、「天戦地冲」まで絡んでいたら、処置無し、ですね。

がっくりです。・・・・
これからも、このままなのでしょうか?
何か、悔しいです。
対処法を教えて下さい。

そうですね。

先ず、御自身の「水気」を強めるのが一番です。
それには、御自身の「水気」が強まる時期ー大運、歳運の「亥、丑が来て北方合」や「申、辰が来て三合水局」が考えられます。

しかし、そういう時の流れになっていなければ、命式に「水気」の強い方が、お友達でおられませんか?
「水気」をチャージする形を取るのです。

若しくは、「金気」の強い方の、お友達も良いですね。
五行の「相生」である「金生水(きんしょうすい)」を活用して行く方法です。
この方法でしたら、「金気」の強いお友達は、
御自分にとっては、後押しの存在。
男性に対しては、五行の相剋の「火剋金(かこくきん)」で、男性の力を削ぐ事にも繋がります。

そうですね。
今の私は、大運、歳運の「水気」を強められるものがありませんので、
彼と会う時には、「水気」や「金気」の命式が強い友達も交えれば良いのですね。

「水気」の多い友達ならば、私と一緒になって、彼の力を「水火激冲」で弱める。

「金気」の多い友達ならば、私を後押しして貰いながら、彼の力を「火剋金」で減じる。

いい事を教えて頂きました。
今度から、彼と会う時は、必ず誰か友達と一緒に居て貰って会います。

えぇ~~~、
僕が悪者みたいだなぁ・・・・?
そういうつもりは、無いんだけど。・・・・

あなたの御気持も分からないではありませんが、「身旺」の方は、他者に対して、配慮が必要な傾向にあります。自我の出し過ぎ=我が儘に注意ですよ。

彼女が、あなたと反対の「身弱」さんなので、そこは、気を付けてあげねばなりませんよ。

対冲の関係とは、「互いが反発を感じる」ものなのですが、「己に無いものを持っているが故に気になる」とも言えます。
それゆえ、その差異をきちんと認識すれば、対処できるはずです。
柳に風、と言う言葉もあります。どちらも、常に相手をやり込めようとするのでは無く、上手くかわして行くべきですよ。

はい。
これからは、彼女と会う時、少しは気を使うようにします。
今日は、有難うございました。

ねえ、この後、ピザを食べに行こうよ。
最近、いい店、見つけたんだ。
絶対、気にいるよ。
おごるから行こう!

え~~~~?
今、そんな気分じゃないわ。
お茶ならいいけど。

ピザだよ、ピザ。
おごるから行こうよ~~~~。
美味いんだよ~~~~~。

ほほほ、・・・・
まだまだ、当分、あなた方は、相手への配慮の仕方を修行せねばならないようですね。

人間関係は、時の流れや周囲の状況によって、変化し続けるものです。
それを上手くつかまえて、良きものとするために、四柱推命の知識を使って下さいね。

それでは、また、お会いしましょう。