【四柱推命】ー「対冲」物語2:四旺の冲2:「卯(木)」と「酉(金)」ー「金剋木(きんこくもく)+「天戦地冲(てんせんちちゅう)」

四柱推命に於ける、干支の互いの関係性を表すものの中で、「相生」、「相剋」、「支合」、「対冲」と言う4つの言葉は、最も良く見受けられるものです。今回は、その中で、十二支相互の間での「対冲」である「卯」と「酉」ー「金剋木(きんこくもく)」+「天戦地冲(てんせんちちゅう)」について、具体的な事例を基にして考えてみたいと思います。

弁天様、こんにちは。
僕、相談があって来ました。
お願いします。

あら、ブライアンですね。
お元気ですか?

実は、僕、最近、仕事で知り合った人が居るのですが、何となく上手くいかなくて。
波長が合わないと言うか、・・・・・
その人は、僕より年下だし、キャリアも僕の方が長いんですが、悪い人では無いんですけど、どうも、・・・・「?」な感じです。

あら、それはお困りのご様子ですね。
では、早速、お互いの命式を見て見ましょうね。

天干
地支
ブライアンの命式
天干
地支
Aさん

この「月」の所は、どういう場所なのですか?

それは、「月柱」と言って、本人の「社会運」、「仕事運」などを見て行く場所です。
年齢で言えば、18歳くらいから、60歳くらいまでですね。

また、「月柱」は、「月令(げつれい)」と言って、生まれ月を表し、他の柱に比べ、
例え、同じ「干支」が存在していても、力量が強い値となりますので、とても重要な場所ですよ。

ふ~~~~ん、そうなんですか。
でも、僕とAさんは、月柱の十二支を見ると、「卯酉」=「うっとり」じゃあないですか。・・・夢見心地ですよね、うっとりって。・・・
本来なら、上手く行くはずですよね。

おほほ、・・・ブライアン、駄洒落ならそうなりますが、実際は、「うっとり」どころか、全く、その逆ですよ。

ブライアン、卯の「気」、酉の「気」を覚えてますか?

図12支
十二支図

え~~~~と、
卯は「木気」で、方位は、東。
酉は「金気」で、方位は、西。

あ、上の図だと、正反対です。

そうですね。

こういう正反対の位置同士を「対冲(たいちゅう)」とか「冲」と言います。
磁石の「S極」と「N極」のようなもので、
相手に対し、反発を感じ、攻撃してしまいがちになる関係です。
相手の存在を無視出来ず、ついつい構ってしまい、その結果、互いに白黒をつけたがり、上手く行かなくなると言う関係ですよ。

また、「卯」と「酉」は、「子」と「午」の対冲と同様に、「四旺の冲」と呼ばれ、方位的に見ると、正反対となっています。
他の「四長生の冲」や「四墓の冲」と比しても、はっきりとした特徴を持っていますよ。

「卯」は、「木気」です。また、蔵干と言って、中に含まれている「干」は、「甲」、「乙」です。
「酉」は、「金気」です。蔵干は、「庚」と「辛」です。

両者の関係は、「金気」の「酉」が、「木気」の「卯」を、「金剋木(きんこくもく)」で倒しに来ます。
例えて言えば、「斧で木を切り倒す」とでも言うのでしょうか。

ひゃぁ~~~~。
困ったなぁ・・・・
僕、削られる方なんですね。

ほほほ、・・・・そうとも言えますね。
その際、気を使っておかねばならない事として、それぞれの「月支」の力量があります。
もし、「Aさんの月支の天干>ブライアンの月支の天干」だとますます削られてしまいますね。

今回、月柱の天干については、空白にしていますが、
もし、そこの位置が、次の表のようなものだと、もっと大変になりますよ。

時柱日柱月柱年柱
①庚
②辛
③壬
④癸
⑤甲
⑥乙
⑦丙
⑧丁
⑨戊
⑩己
ブライアンの命式
時柱日柱月柱年柱
①甲
②乙
③丙
④丁
⑤戊
⑥己
⑦庚
⑧辛
⑨壬
⑩癸
Aさんの命式

上記の表は、「天戦地冲(てんせんちちゅう)」と呼ばれるものです。
天干同士が、「相剋」の関係にあるものです。
互いの番号同士が、対応する関係となります。
①と②は、金剋木
③と④は、水剋火
⑤と⑥は、木剋土
⑦と⑧は、火剋金
⑨と⑩は、土剋水

もし、この①~⑩が、互いの天干にあれば、より気を付けねばなりませんね。
天干、地支ともに、剋し合うと言う事になりますね。

うぅ~~~~。
もし、①と②だったら、ダブル「金剋木」ですね。

でも、どうすれば、現状を変えられますか?
無理なのでしょうか?

それには、お互いの命式の中での「木気」や「金気」の力量を見なければなりませんね。
一般的には、「金剋木」は「凶」と言われますが、「凶」と言えない場合もあります。

もし、ブライアンの他の柱に「木気」が多すぎて、「金気」が少ないと、相手のAさんが、多すぎる木を削ってくれるストッパーの役目を果たす場合がありますよ。

う~~~ん、僕の命式には、それほど多くの「木気」がある訳では無さそうです。

どうしたら、いいのですか?

仕事と言うのは、多くの場合、チームを組んでする事がありますね。
それを上手く活用すると良いのです。

つまり、互いの間に、もう一人、緩衝材的な人物に入ってもらう、と言う事です。

ふ~~~~ん、例えれば、緩衝材、クッションみたいな人ですか?

そうですよ。
五行の「相生」を使って行けば良いのです。
「金生水」、「水生木」と言う流れがあるので、お互いの間に「水気」を持つ人に入ってもらうのです。

五行相生
五行相生

あ、そういう事ですね。
分かりました。
一度、トライしてみます。

他にも、考えられる方法として、
自分自身の「木気」を強める事も考えられます。
例えば、「水生木」なので、普段、身に着ける物を「水気」や「木気」が象徴する色の物にするとか、「水気」や「木気」の方位に旅行したり、引っ越しをしたりするとか、などが挙げられますね。

弁天様の御話を聞いていると、何だか元気が出てきました。
これから戻って、準備をします。

ほほほ、・・・・
頑張って下さいね。

相性と言うのは、存在します。
相性が合う相手に対しては、自分自身の努力は必要がありません。

でも、相性が合わない相手に対しては、無視するか、逆にこちらが相手に合わすかのどちらかしかありません。
相手から合わせてくれるのを待つのは、無理な事です。

会わずに済めば良いのですが、仕事となると、そうも行きません。
すると、こちらが相手に「迎合」するのでは無く、「対応」していくのが肝要です。
そのためにも、相手を良く観察し、仮説を立て、行動して、その結果、その仮説が正しいかどうか検証していくべきです。

四柱推命などの占術を上手く使うのも、対応方法として良いのではないでしょうか?
「転ばぬ先の杖」ですよ。

はい、今日は、本当に有難うございました。
何だか、やる気が出てきました。

早速、家に戻る途中、「水気」の「ビール」とか「ジュース」とか「かき氷」とか買って食べます!

あら、あら、・・・・
食べ過ぎて、お腹を壊してはいけませんよ。

「水気」や「木気」の採り方は、他にも色々ある事をお忘れなく。
それでは、また、お会いしましょう。