【四柱推命】ー「対冲」物語3:四長生の冲1:命式の中の対冲「寅(木)」と「申(金)」ー「金剋木(きんこくもく)」
四柱推命に於ける、干支の互いの関係性を表すものの中で、「相生」、「相剋」、「支合」、「対冲」と言う4つの言葉は、最も良く見受けられるものです。今回は、その中で、十二支相互の間での四長生の「対冲」である「寅」と「申」ー「金剋木(きんこくもく)」について、具体的な事例を基にして考えてみたいと思います。
弁天様、こんにちは。
今日は、質問があって参りました。
宜しくお願い致します。
はい、こんにちは。
一体、どのような御質問でしょうか?
実は、私の命式の中に「対冲」があります。
どう判断して行けば良いのか悩んでいます。
そうですか。
人は、どなたでも自分自身の命式に「対冲」が無くても、「大運」や「歳運」が巡って来る際に、「対冲」となる時期があります。
あなたの場合は、元から命式に存在するのですね。
はい。
私の命式の中にある対冲を見て下さい。
時 | 日 | 月 | 年 | |
天干 | ||||
申 | 寅 | 地支 |
先ず、対冲の見方の基本をお伝えします。
他の支合や干合と同様に、対冲の見方は、「隣り合っているかどうか」です。
あなたの場合、日支と時支が隣り合っていますね。
故に、「寅」と「申」は対冲であると言えます。
もし、これが、「寅」と「申」がどちらの場所になっていても構いませんが、
年支と日支
年支と時支
月支と時支
の位置にあれば、隣り合っていませんから、「対冲」とは呼びません。
あぁ、私の場合、やはり「対冲」なのですね。
気落ちします。
対冲には3種類あります。
「四旺の冲」と呼ばれる「子と午」、「卯と酉」
これらは、五行の各気の中で中心に位置します。つまり、十二運で言うと「帝旺」となります。(注:三合局で言うと、水局「申ー子ー辰」、火局「寅ー午ー戌」、木局「亥ー卯ー未」、金局「巳ー酉ー丑」)
また、方位的にも四正に位置します。
「四長生の冲」と呼ばれる「寅と申」、「巳と亥」
これらは、五行の各気の中で十二運で言うと「長生」に位置しますので、そう呼ばれます。
(注:三合局で言うと、水局「申ー子ー辰」、火局「寅ー午ー戌」、木局「亥ー卯ー未」、金局「巳ー酉ー丑」)
「四墓の冲」と呼ばれる「辰と戌」、「丑と未」
これらは、五行の各気の中で十二運で言うと「墓」に位置します。
(注:三合局で言うと、水局「申ー子ー辰」、火局「寅ー午ー戌」、木局「亥ー卯ー未」、金局「巳ー酉ー丑」)
また、「土気」同士なので「朋冲(ほうちゅう)=友達の冲」とも言います。
「冲」にも、色々なものがあるのですね。
私の場合、この説明で言うと、「四長生の冲」になりますね。
「寅」と「申」なので、「金剋木」なので、どういう現象が起こるのでしょうか?
そうですね。
この場合、2つの観点から見なければなりませんよ。
1:「対冲」が、どの「柱」にあるのか、
2:「対冲」となっている「地支」の互いの力量を含んでの総体としての「五行」です。
1に関しては、私の場合は、「日柱」と「時柱」ですので、
「日柱=本人の性格、配偶者」と「時柱=晩年運、子孫運」ですね。
あなたが仰るとおり、「日柱」と「時柱」が「対冲」の関係にあるので、
「日柱」の本人自身の性格や配偶者運、
「時柱」の晩年運や、子孫に関して注意せねばなりませんね。
「金(申)剋木(寅)」ですので、2の面も加味し、それぞれの天干も見なければなりません。
前回の話で取り上げた「天戦地冲(てんせんちちゅう)」もチェックしておきましょう。
また、対冲となっている2つの「十二支」に対し、他の柱の十二支から援護(方合、三合局など)の有無もチェックしておきましょう。
その結果、
「金(申)」の力量が強ければ、子孫からの迷惑を被りやすいと捉えられます。
逆に「木(寅)」の力量が強ければ、子孫との縁が薄いと捉えられます。
何か寂しい気持ちになります。
私の老後は、孤独ですね。
そうお考えになる御気持は分かります。
でも、占いと言うのは、「羅針盤」や「道しるべ」のようなものである事を忘れないで頂きたいです。
未来は、決まっていません。
過去が現在を作り、現在が未来を作るものであるなら、今、占いで出たもの(結果)を、どう活かすかにかかっています。
出た結果を活かすも殺すも、最終的には、本人の決める事です。
そうは言っても、・・・・・
悪い結果を聞くと、何だか、・・・・
まだ先の事に関して、悪い結果が出た際には、「傾向」と捉えて下さい。
そうすれば、対処の仕方もあります。
例えば、今回の場合、
1:命式の他の柱に、「支合」、「干合」、「三合局」、「方合」となる十二支があり、今回の「対冲の寅、申」との関係が影響を受けて変化するのか否か?
2:御自身の晩年運(60歳以降)に来る大運、歳運の十二支によって、「対冲の寅、申」との関係は、どう変化して行くのか?
3:あなたは、今は、まだご結婚されてないけれども、将来、配偶者が居た際、その方の日柱の支である「配偶者運」や、時柱の支である「子孫運」は、どうなのか?
4:将来、子供を持った際、子供自身の命式の中で、親(あなた)との関係は、どうなのか?
命式の一面だけ見て、決めつける事が、最も良くない受け取り方です。
占い=命式を読み解くのは、簡単な事ではありません。
命式を読み解くのは、様々な外部要因が因数となる方程式のようなものです。
一部を取り上げ、全体を推し量る愚を犯す事は、避けなければなりませんよ。
そう言って下さるのを聞くと、少しは安心出来ます。
あ、そうそう。
他にも、お知らせしておかねばならない事があります。
今回のあなたの命式の場合、日柱と時柱の「寅と申」が対冲ですが、他の柱(年支と月支のどちらの順序であっても可)の「地支」が「巳と亥」の対冲であるならば、「四長生」と呼ばれ、大きく社会的に成功するとも言われています。
えぇ~~~?
そういう事もあるのですか?
対冲が2つ存在するのに、・・・・
対冲は、確かに注意するものではあります。
けれど、先ほど申し上げたように、常に命式全体を総合的に見て下さいね。
完璧な命式などありません。
人それぞれ、何かしらの長所、短所があります。
占いを参考にしつつ、長所を上手く伸ばしたり、短所を直したりして行って頂きたいものです。
「大難を小難に」、「小難を無難に」ですよ。
本日は、有難うございました。
まだ不安な気持ちは拭えませんが、将来を良きものにしたいので、自分自身の現状をきちんと把握して、占いを活かして行きたいです。
そう言って頂けると、私も嬉しいです。
未確定な将来の事を、どう創って行くかは、今、現在の心や行動から発せられたもので決まって行きます。
御自分の人生を決めるのは、御自身です。
最終的には、自己責任ですよ。
それでは、また、いつかお会いしましょう。