【気学】道真さんと易神様に聞きましたー8:九星の象意ー北の一白水星・その8:「北の一白水星と、東北の八白土星が重なった場合」を教えて下さい。

京都の北野天満宮におわします「菅原道真公」と、謎のお爺さんこと「易神様」が、シリーズで、様々な「迷える気学学習者」との対話を行います。今回は、「九星:一白水星」に関するお話です。 北の一白水星と、東北の八白土星が重なると、どういう風に解釈していけば良いのか、についての物語です。

道真様、こんにちは。
今日は、前回の続きとなりますので、北の一白水星が、東北の八白土星に廻座した際について教えて下さい。

ははは、勉強熱心じゃな。
では、問うが、東北の方位は、別名、何と呼ばれておるかな?

あ、はい。
「鬼門」ですね。
「鬼門」には、2つあり、東北を「表鬼門」、西南を「裏鬼門」と言います。

その通りじゃ。
では、なぜ、東北が「鬼門」なんじゃ?

え~~~~と、え~~~~~と、・・・

後漢の王充(おうじゅう)が書いた「論衡(ろんこう)」の中で、「山海経」を引用し、黄帝が鬼を封じるために行った事から鬼の出てくる方位が東北とされたと記載されてあります。

それも正しいが、他にもあるぞ。

中国は大陸じゃ。
広大な大陸に住む中華の人々は、周囲を異民族に囲まれておるな。
じゃから、東北に住む異民族の匈奴(きょうど)が侵入してくるのを、鬼になぞらえてきた、と言う説もある。

他にも、太陽の一日の動きから考えても、東北は日の出前じゃな。つまり、まだ太陽が出ていない。陽当たりが悪いので、湿気が溜まりやすい。そこから、東北の方位が、「鬼門」と呼ばれるようになったとも考えられるぞ。

また、陰陽五行説から見て、東北の方位は、季節で言うと、冬から春への変化を新しい年の始まりとなっておる。それを「十二支」で言うと、丑・寅となり、ちょうど「冬と春」の境目に位置する。

日本では、古来より、中国からの思想を取り入れておる。例えば、平安時代の陰陽道の成立に、それが濃厚に見受けられる。それは、日本独自の解釈が合わさった占術として発展していった。そして、その後の様々な占術に影響を与えておる。

さて、「鬼門」の話から、東北の「八白土星」は、易経で言うと、何と呼ばれるのか、分かるかのう?

はい。
「艮(ごん)」と呼ばれています。
「艮」は、山の意味です。
高くそびえる山です。

五黄
後天定位盤(五黄土星中宮)
七赤
「七赤金星・中宮」ー白水星が東北に廻座

良し、良し。

今回のように、北の一白水星が、東北の八白土星に来る事を、易経では、「水山蹇(すいざんけん)」と言う。
山に登ろうとするが、目の前に大きな川、若しくは、流れが速い川が流れており、渡るに渡れない状況を想像すると良い。

この「蹇(けん)」と言う字は、「足なえ」とも読む。つまり、自由に歩けない。そこから、「悩む、苦しむ、頑(かたく)なになる、曲がる」と言う意味を持っておる。

じゃから、物事が上手く運ばず、とどまっている。停滞する。難がある。そういう卦じゃ。
故に、この「水山蹇(すいざんけん)」の卦は、内容的に厳しいものじゃよ。何事にも、己の頭を低くして事に当たらねばならぬぞ。

それでは、東北の八白土星の特徴は言えるかのう?

はい。
「八白土星」ですから、「土気」の性質を持ちます。

五行で言うと、「土」
易経で言うと、「艮=山」
方位で言うと、「東北」
十干で言うと、「戊」、「己」
十二支で言うと、「丑」、「寅」
季節で言うと、「冬の終わりから春の始まり」ー晩冬(丑)、初春(寅):(旧暦)
月で言うと、「丑月(1月)」、「寅月(2月)」:(旧暦)
時間で言うと、「丑の刻(午前1時から3時)、寅の刻(午前3時から5時)」
色で言うと、「黄色」
味覚で言うと、「甘味」

パーフェクトじゃ。

さて、東北の八白土星の意味を言える者は、おるかな?

はい。

山、土地、蓄積、相続、停止、蓄財、再起、改革、とどまる、変化する、迷う、送れる、高い、と言ったところでしょうか。

では、この東北の八白土星の所に、北の一白水星が来ると、どうなる?
上手く行くかな?

恋愛関係や人間関係では、上手く行く場合ならば、良き変化として、家族や親類からの紹介で、その人と新しい関係が結ばれる事になります。しかし、往々にして、逆のパターンとなる事が予想されます。

仕事関係では、取引先が、資産を持った歴史のある会社か、又は、歴史のある会社でも、新たに改革を行っている会社などが考えられます。しかし、そういう会社との、特に不動産に関係する取引では、要注意です。

健康面では、八白土星の象意として「鼻」や「盲腸」となりますし、一白水星との関係から考えて、冷えから来る腰や関節の痛みにも注意しなければなりません。

金運ならば、土地や建物などの「不動産」が関係する方位です。但し、取引が順調に進む事はあまり無いかと思われます。また、他にも、今まで行っていた蓄財方法を変えたりする事も起こりうる可能性があります。

外出先ならば、高い山やあ高原に縁がありそうです。けれども、外出中に、途中から予定変更をしたりするかも知れません。

ふむ、今回も、皆、良いぞ。

北の「一白水星」が、東北の「八白土星」に廻座する事は、「水気」と「土気」が強まると言うことじゃ。
これは、「土剋水(どこくすい)」となり、つまり、相剋の関係じゃ。水が土で濁らせられる、と言うものじゃ。じゃから、互いの「気」の結びつきは、よろしくない。

こういう場合に、今回の方位へ向かう際には、2つの「気」の中身をよくよく考えて行動せねばならん。行った際には、「水気」や「土気」の象意を、良く理解して、行動するが良い。
油断禁物じゃよ。

では、また、会おうぞ。

こうして、気学に於ける方位の廻座を考える事、それ自体が、自然と親しむ事になっている事を忘れないで欲しいもんじゃよ。

自然は、自ら語る事は無い。
けれど、人が、自然から学び続ける事によって、物質的、精神的に「恵み」を与えられるもんじゃからな。

次回で、「北の一白水星」が、九星=9つの方位を一巡りする。
では、また、会おうぞ。