【四柱推命】ー「対冲」物語4:四長生の冲2:命式の中の対冲「巳(火)」と「亥(水)」ー「水剋火(すいこくか)」

四柱推命に於ける、干支の互いの関係性を表すものの中で、「相生」、「相剋」、「支合」、「対冲」と言う4つの言葉は、最も良く見受けられるものです。今回は、その中で、十二支相互の間での四長生の「対冲」である「巳」と「亥」ー「水剋火(すいこくか)」について、具体的な事例を基にして考えてみたいと思います。

弁天様、こんにちは。
先日のスーツ姿の女性のお話、本当に参考になりました。

ところで、私の質問を聞いて頂けますか?

ほほほ、・・・・こんにちは。
さて、どういう内容でしょうか?

実は、私の命式に「対冲」があります。
それも、年柱と月柱との関係です。
やはり、宜しくないのでしょうか?

前回は、日柱と時柱でしたね。
今回は、年柱と月柱ですね。
では、早速、あなたの命式を図式化してみましょう。

時柱日柱月柱年柱
天干
地支
ひらめいた女性の命式

それでは、あなたの命式を見て見ましょう。

私は、違う見方をしますが、四柱推命の流派によっては、「対冲」が解(と)けたと表現される命式ですよ。

「対冲」が溶ける?解ける?
それって、一体、何ですか?

「対冲」が解けると言うのは、対冲で無いと言う事です。
他の柱にある十二支によって、「巳」と「亥」が、対冲の意味を為さないと言う事ですよ。

えぇ~~~~。
う、嬉しいです。
でも、何故ですか?

ほほほ、・・・では、その説明に移りますね。

本来、対冲とは、十二支を円形に並べた時、180度・正反対の位置に居るもの同士を言います。
そして、また、その2つは隣合わせの「柱」(例:時柱と日柱、日柱と月柱、月柱と年柱)に存在しないといけません。

あなたの場合、月柱に「巳」と年柱に「亥」があります。
本来ならば、「巳」が火気で、「亥」が水気なので、「水剋火」となり、互いの支が正面衝突するので、月柱と年柱の「通変星」に影響を及ぼします。
つまり、年柱の意味する「先祖運、幼少期の家庭環境」と、月柱の意味する「中年運、社会運」に於ける双方の通変星の力量が減じてしまわれるのです。

図12支
十二支図

対冲って、大変なんですね。
でも、「対冲が解ける」と言う見立てとは、どういうものですか?

それは、あなたの場合、『支合』が命式に存在するからです。
日柱が、「申」ですので、「巳」と「申」が『支合』の関係となり、両者の結びつきが強いため、「巳」と「亥」の対冲が無くなる、と言う解釈です。
他にも、命式内や、巡って来る大運、歳運によって、『三合局』が成立した場合も、「対冲が解ける」と言う言い方をします。

そうなんですか。
何か、勇気が出てきました。

でも、弁天様の御考えでは、どう解釈されるのですか?

私の立場としては、対冲が存在する際に、互いの「五行の気」の力量によって、勝負が着く、と言うものです。
対冲があるからと言って、それがある両方の柱の通変星が完全に機能しなくなると言うものではありません。
対冲=衝突する以上、勝負が着きます。

但し、その際、忘れてはならないのが、全体の命式から考える事です。
どういう勝負の着き方をするのか、です。

「巳」と「亥」は、確かに「水剋火」に該当しますが、月柱の「巳」は、年柱の「亥」より、数段力量を持ちます。
つまり、「火剋水」の形となります。
これを「反剋(はんこく)」と言います。
月柱>年柱となり、
月柱の力は、年柱に及ぶ為に、少しパワーダウンし、
年柱の力は、完全に無くなりはしないが、かなりパワーダウンする、と言う考えです。

また、仮定の話ですが、

もし、命式に「火気ー丙、丁、巳、午、未」が多く存在すれば、年柱の「亥」の水気は、完全に干上がってしまいます。
年柱の意味する「先祖運、幼少期の家庭環境」が厳しいものである可能性となります。

もし、命式に「水気ー壬、癸、亥、子、丑」が多く存在すれば、月柱の「巳」が、逆に鎮火されてしまいます。
月柱の意味する「中年運、社会運」が厳しいものである可能性となります。

つまり、弁天様の見立てでは、
「対冲は、完全に解けない。」
「全体の命式を見て、五行の強弱の力量によって、勝敗が決まる。」
と言うものなのですね。

そう思って頂いて結構かと思います。

十二支間の組み合わせでは、「相生」、「相剋」、「方合」、「三合局」、「支合」、「冲」、「刑」、「害」、「破」と、色々ありますが、どれも長い四柱推命の歴史の中で発見された法則です。
故に、凶の組み合わせがあると、それを克服しようとする考え方が出てくるのは当然の事です。
しかし、完全に無きものとするのには、無理があると思います。

そうですか。

でも、凶があれば、落ち込みます。
何とかしなくては。・・・・でも、どうしたら良いのでしょうか。

今回の場合であれば、「水火」が衝突するのを避ける為に、相生の考えを取り入れ、「木」を増やすのが良いのではないでしょうか。
「水」→「木」→「火」

大運、歳運、方位採りなどで「木」気を増やすよう努めて下さい。

有難うございます。
私の命式では、「木」が、ポイントなんですね。
家に帰ってから、方位を調べてみます。

最後になりますが、説明させて下さいね。

四柱推命は、生年月日を十干十二支を用いますが、最大でも天干が「十文字」有る中での「四文字」、地支が十二文字ある中での「四文字」しか用いられません。
つまり、最大使用文字数で言うならば、天干地支で「八字」です。
最小使用文字数ならば、天干地支で「二字」です。

そこから導き出される事は、完璧な命式は、存在しないと言う事です。
完全無欠な人生も、同様にありません。

運命は、本人自身の宿命と、その後の選択によって決まります。
凶の星があれば、どうすべきか。
克服するべく努力するのか、甘受するのか。
吉の星があれば、どうすべきか。
より活かそうと行動するのか、ただ待っているのか。

生年月日から導き出された命式と大運、歳運、そして、自分自身の意志。
それらが、その人の人生を形作るのを忘れないで下さいね。

それでは、また、お会いしましょう。