【四柱推命】ー「対冲」物語5:四墓の冲1:命式の中の対冲「丑(土)」と「未(土)」ー「朋冲(ほうちゅう)」

四柱推命に於ける、干支の互いの関係性を表すものの中で、「相生」、「相剋」、「支合」、「対冲」と言う4つの言葉は、最も良く見受けられるものです。今回は、その中で、十二支相互の間での四墓の「対冲」である命式の中の対冲「丑(土)」と「未(土)」ー「朋冲(ほうちゅう)」について、具体的な事例を基にして考えてみたいと思います。

弁天様、初めまして。
僕、現在、彼女さんが居てます。
彼女は、四柱推命を勉強中で、僕の命式を見て、「大丈夫?」と言って心配するのです。
僕は、四柱推命の知識が全く無くて、何が何やら分からず、困っています。

初めまして。

お困りの様子ですね。
それでは、あなたの生年月日を見て見ましょうね。

時柱日柱月柱年柱
天干
地支
恋する男子の命式

あのう、・・・僕の命式のどこが心配なのでしょうか?

はい。
今から初心者の方に向けて、分かりやすく説明させて頂きます。

彼女さんの心配は、あなたの命式に「朋冲(ほうちゅう)」がある事だと推察されます。

「朋冲(ほうちゅう)」?
朋は、友と言う意味ですよね。
でも、冲は、「つきあたる」と言う意味で、衝突の「衝(しょう)」と同じ意味を持ちますね。
両方を足せば、友達が喧嘩する、ですか?

ほほほ、・・・・そうも言えますね。

そもそも、四柱推命に於いて、互いの十干十二支の関係を見る際に、注意すべき関係性が幾つかあります。
その中のひとつが、「対冲」若しくは、「冲」と呼ばれる関係性を表すものです。
十二支を円形に配置した際に、対角線上に存在する十二支同士を、対冲の関係と呼びます。

対冲とは、あなたが仰ったように、「互いが衝突し合う」と言う意味を持ちます。
他の言い方ですと、「足を引っ張り合う」とでも言えましょう。

それが、生年月日から作成した命式の、どの柱にあるかによって、その柱の特徴から来る起こりうる点を考慮します。
年柱:先祖運、幼少期の家庭環境
月柱:中年運、社会運
日柱:性格、配偶者運
時柱:晩年運、子孫運

対冲には、3種類あります。
四正の冲:子午、卯酉
四長生の冲:寅申、巳亥
四墓の冲:丑未、辰戌

ここまでの説明は、大丈夫ですか?

図12支
十二支図

何となく分かってきました。
僕には、四墓の対冲である「丑と未」が、日柱と時柱にある事ですね。
となると、僕は、日柱と時柱が喧嘩し合って、配偶者運も晩年運も悪いと言う事なんですね。
困ったなぁ~~~。

ほほほ、・・・急に、落ち込まれては行けませんよ。

では、説明を続けさせて頂きます。

「対冲」の中でも、「朋冲」は、その字の通り、「仲間同士」が冲の関係です。
他の「対冲」は、異行の冲と言って、五行同士が違うものです。
しかし、「朋冲」は、同行の冲と言って、五行同士が同じものです。
故に、冲の影響の仕方が、異行の冲と違って、2通りあります。

基本的には、下記の①が異行、同行の冲に言える事です。

①他の柱の天干や地支の蔵干も総合的に見て、どちらかの冲する方が優勢であるならば、弱い方の冲のある柱は、負けます。つまり、「負」ですので、その柱への「凶」の象意が、「勝」の冲よりも多く現れます。

②朋冲(同行の冲)と、他の柱の天干や地支の蔵干を見て、優劣がさほど変わらない場合は、「勝ち負け無し」ですので、柱への影響をそれほど気になさらなくても良いのです。

そうなんですか。・・・・
少し安心しました。
つまり、僕の場合は、と言うか、朋冲の場合は、②である事も考慮すべきなのですね。

その通りです。
分かりやすい例を挙げてみましょうね。

あなたの場合、もし他の柱に
丑がある:「丑」の勝ちとなり、時柱の「未」が負けますので、時柱の持つ象意が「凶」となりやすいです。

未がある:「未」の勝ちとなり、日柱の「丑」が負けますので、日柱の持つ象意が「凶」となりやすいです。

もし、他の柱に「丑」も「未」も無ければ、日柱や時柱の象意が「凶」と出てくる度合いをそう気になさらなくても良いです。

うわぁ~~~~、大変だ。
彼女の心配が分かりました。

ほほほ、・・・
それでは、面白い朋冲の話を致しましょう。
「四墓の冲(しぼのちゅう)」と言うものがあります。
これは、何を意味するのかお分かりになられますか?

お墓が4つ。
不気味さMAXです。
短命とか、成功とは一生、無関係とか、ですか?

あら、全く違いますよ。
「四墓の冲」は、「丑」、「辰」、「未」、「戌」の4つが、命式の中の地支全てに存在するものです。
この場合、どの地支も「土気」ですね。
どの柱も冲にならず、形而上的なもの(例:芸術)を具現化する事によって財を為す、と言われています。但し、女性の方が「四墓の冲」を持たれると、子運が宜しくないと言われています。

あ、僕、「四墓の冲」になりたいです。
でも、僕の命式では、無理かな?

ほほほ、・・・その御気持は、良く分かります。
でも、期間限定ならば、その可能性もありますよ。

期間限定?
賞味期限みたいなものですか?

はい。
あなたの「大運(10年運)」や歳運(1年運)」に「辰」や「戌」(順不同)が来たならば、その年は「四墓の冲」となり、「墓庫冲開(ぼこちゅうかい)」と言って、幸運期と言えますよ。

うわぁ~~~~、いい事を聞きました。
早速、彼女に会って、調べて貰います。

今日は、有難うございました。
何か、勇気が出てきました。

そう言って頂けると、私も嬉しいです。

でも、忘れてならない事は、人生は命式通りに進んで行く可能性は大きいですが、自分を取り巻く人間関係からの影響も忘れないで下さいね。

人生は、四季のようなものです。
その時々に、自分と深く関わり合う人との御縁を、大切になさって下さいね。

一生変わらぬ命式と、常に変化し続ける大運、歳運、人間関係を良く見極め、人生を良きものとして作り上げて行くことの為に、占術は存在します。

それでは、このへんで。
また、いつかお会いしましょう。