【四柱推命】開運への道しるべ1ー用神(ようじん)とは?:用神の定義「扶抑(ふよく)用神」

四柱推命に於いて、自分の命式の長所、短所、又、開運時期、注意すべき時期を求めるに当たり、「用神(ようじん)」への理解は欠かせないものです。巷で言われる良い通変星や十二運の有無や、それらが巡って来るのを見るのではなく、先ず「用神」の五行から考えてから、通変星や十二運を検討するべきだと思います。それでは、「用いる神」とは、どういう意味なのでしょうか?今回から、シリーズとして、「用神」について見て行きたいと考えております。第1回目は、「用神の定義ー扶抑(ふよく)用神」です。

弁天様、こんにちは。
今日は、質問があり、参りました。
宜しくお願い致します。

はい、こんにちは。
さて、どのような御質問でしょうか?

四柱推命に於いて、「用神(ようじん)」は、開運のために、とても大事なものだと聞いております。
また、人によって、「用神」は違うとも聞いております。
その辺りを教えて頂ければ嬉しいのですが。・・・

分かりました。
では、今から、「用神」について、一緒に考えて行きましょうね。

それでは、私からの質問となりますが、
「用神」には、様々な種類がありますが、御存じですか?

「扶抑(ふよく)用神」だけは覚えています。
「扶(たす)けたり、抑(おさ)えたりする用神」ですよね。

用神は、5種類あります。「扶抑用神」、「調候(ちょうこう)用神」、「「専旺(せんおう)用神」、「通関(つうかん)用神」「病薬(びょうやく)用神」です。

色々あるんですね。
でも、まず押さえておかねばならない用神は、どれですか?

そうですね。
それらの中でも、「扶抑用神」、「調候用神」、「通関用神」でしょう。
先ずは、「扶抑用神」から見て見ましょう。
あなたの言う通り、「扶抑用神」は、「扶(たす)けたり抑えたりする用神」です。
本人にとって、五行の中で弱い個所を強める事が、扶けると言う意味です。
逆に、本人にとって、五行の中で強すぎる個所を弱める事が、抑えると言う意味です。
簡潔に述べれば、「五行の相生・相剋や通根」を上手に使う、と言うことになります。
では、実例で見て行きましょう。

日主ー比劫星(比肩星、劫財星)
印星(印綬星、偏印星)漏星(食神星、傷官星)
官星(正官星、偏官星)財星(正財星、偏財星)
通変星の位置
日主「火気」比劫星が小(弱い)
日主「金気」比劫星が大(強い)

日主が「弱い」、「強い」と言う2パターンで考えて見ましょう。
「扶抑用神」の考え方だと、どういう用神を採るべきなのか、お分かりですか?

左側の、日主「火気」比劫星が小(弱い)場合は、日主を扶(たす)けるのがベストですね。
それには、2つの採り方があります。

①赤色の「比劫星」に当たる五行=火気を採る
 自分自身を強める事が大事です。通根の考え方ですね。今のままだと、漏星=食傷星に、自分のエネルギーが流れて行き、自身が枯渇してしまいます。

②緑色の「印星」に当たる五行=木気を採る
 自分自身を援護してくれる事が大事ですね。相生の考え方を使うと良いと思います。今のままだと、官星の水気が「水火激冲」となり、相剋の度合いがキツイですね。

御名答です。
あなたの仰るとおり、日主「火気」比劫星が小(弱い)=身弱の命式の持ち主ですので、図で言うと、横線で区切られた左上部分を強化して行くのが、開運法である「用神」の採り方となります。
つまり、「扶抑用神」で言うと、「扶の用神」です。

では、右側は、どのように考えられますか?

右側の、日主「金気」比劫星が大(強い)場合は、日主を抑(おさ)えるのがベストですね。
それには、2つの採り方があります。

①赤色の「官星」に当たる五行=火気を採る
 自分自身を弱める事が大事です。相剋の考え方ですね。今のままだと、比劫星が暴走(自我が増長)しやすいので、「火剋金」で抑える事が大事です。

②青色の「食傷星」に当たる五行=水気を採る
 自分自身を弱める事が大事です。相生の考え方ですね。今のままだと、比劫星の受け皿となる食傷星が小さすぎるので、比劫星のエネルギーを受け止め切れませんね。

またもや、御名答です。
あなたの仰るとおり、日主「火気」比劫星が大(強い)=身旺の命式の持ち主ですので、図で言うと、横線で区切られた右下部分を強化して行くのが、開運法である「用神」の採り方となります。
つまり、「扶抑用神」で言うと、「抑の用神」です。

でも、「扶抑用神」と言うのは、日主が、どの五行でも可能なのでしょうか?

もちろんですとも。
また、日主のみならず、以下のようなパターンでも、同じように考えて行きます。
私に代わって解説してみて下さい。

土気大
日主=土気
日主=土気

上の左側の図の場合、黄色の金気=「食傷星」が弱いので、「金生水」の相生で、金気を強化すれば、青色の水気=財星に上手く「気=エネルギー」が流れます。

若しくは、緑色の木気=「官星」が弱いので、「木生火」の相生で、そこを強化してみても良いかと思われます。

ほほほ、・・・本当に素晴らしい解答ですね。
黄色の食傷星を強めるか、それとも、緑色の官星を強めるかと言うことですが、官星を強める用神は「扶抑用神」と言うよりも、「通関用神」と呼ばれます。
青色の「水気」と赤色の「火気」は、水火激冲を起こすので、それを和らげる働きの用神ですね。気の流れがスムースに行くように、仲介役を果たします。

そうですか。・・・・
用神が分かっても、複数ある場合、採り方によって、名称が変わるのですね。
と言う事は、通関用神は、扶抑用神のグループに入るのですね。

そうです。
用神の大きな枠組みで捉えれば、
「扶抑用神」・・・通関用神、病薬用神を含む
「調候用神」
の2つに分かれます。

では、右側の図は、どう解釈されますか?

右側の図の場合、青色の水気=財星と、緑色の木気=官星が、用神に当たります。
五行の流れから考えて、水生木の相生で「水気=財星」を採った後に、次に木生火の相生で「木気=官星」を採ったら良いと思われます。
合ってますか?・・・

はい、大丈夫ですよ。正解です。
先ほど、左側の図で申し上げたように、通関用神としての緑色の木気の「官星」を先に採れないわけではありませんが、そうすると、ただでさえ小さい青色の水気の「財星」の気が、官星に流れて行きますので、順序としては、財星→官星の方が良いでしょう。

用神を採る、と言うのは、単に「自分の命式に無い、若しくは少ない気」を採れば良いのではありません。その気を補う際に、先ず、どの気から採れば良いかは、お一人お一人の命式が違いますので、注意が必要です。

また、用神と言うのは、一度、決まれば、絶対変わらない、と言うものではありません。
その方の「大運」、「歳運」により、採る気の有無や、順序も変わります。

えぇ?・・・・
採る気の有無や、順序とは、どういう事なのでしょうか?

例えば、「火気」を先ず採るべき用神、次に「金気」を採るべき用神の方がおられたとします。
2026年の歳運は、「丙午」と、天干地支とも、「火気」です。
そういう場合、既に「火気」が巡っているので、この年は、積極的に「火気」を採るのではなく、2番目に採るべき「金気」の方を採ると言うことです。

生年月日から見た命式に、大運、歳運を加味して、用神を採って下さいね。

はい。
今日は、本当に有難うございました。
家に戻ってから、自分で扶抑用神の採り方を見直してみます。
また、質問があるかと思いますので、その節は、宜しくお願い致します。

はい、次回、お会いするのが楽しみです。
それでは、さようなら。