【四柱推命】身旺さん、身中さん、身弱さんの見分け方とは?ーその2

四柱推命の用語の中で、「身旺」、「身中」、「身弱」と言う言葉があります。これらの言葉は、生年月日から導き出された命式を、大きく3つのタイプに分けて言い表された表現です。ややもすると、「身旺」>「身中」>「身弱」と捉えられがちですが、実は、そういう見方をするのは、短兵急な結論の出し方に繋がりかねません。今回は、前回に引き続き、これらのタイプの見分け方を、具体例を踏まえて考えて行きたいと思います。

弁天様、こんにちは。
今日は、質問があって来ました。
宜しくお願い致します。

はい、こんにちは。
さて、どのような御質問でしょうか?

先日、僕の知り合いの女性が「身旺、身中、身弱」について教えて貰った、と聞きました。
それで、僕も、簡単に見分けられる方法が知りたいので、来ました。
自分の誕生日から命式を見る際、いちいち天干と地支(蔵干)を計算せずに、パッと見て、簡単に判断する方法は、無いのですか?

まぁ、あなたらしい御意見ですこと。
でも、そういう安易な方法を取ると、後で間違いが生じますよ。
そうは言っても、無い事は無いのですが。・・・・

わぁ~~~~、あるんですね。
自分で計算したり、ネットサイトに誕生日を打ち込んでいなくても出来るんですね!

仕方ありませんね。
今からお伝えする方法は、本来なら、天干と地支(蔵干)を計算する前に、大体の見当を付けるために行うものですよ。
100%正確に「身旺、身中、身弱」を述べる事は出来ません。
それでも、お聞きになりたいですか?

やった~~~~。
お願いします!

それでは、あくまでも簡易的な方法ですが、それは、命式の中の「日主」と「月支」を見較べて見る事ですよ。

時柱日柱月柱年柱
日干天干
月支地支
命式
時柱日柱月柱年柱
天干
地支
Aさん
時柱日柱月柱年柱
天干
地支
Bさん
時柱日柱月柱年柱
天干
地支
Cさん

この3人の方の「月柱の月支と、日柱の日干」を見て、どう思われますか?

Aさん:日干の甲は、木気。月支の卯も木気。
Bさん:日干の丙は、火気。月支の午も火気。
Cさん:日干の壬は、水気。月支の子も水気。
皆さん、バリバリの同じ五行対応ですね。

良い所に気づかれていますね。
こういう同じ五行同士の組み合わせは、「身旺」の確立が非常に高くなります。

なぜなら、日干が、月支に通根しています。月支は、命式の中で、月支提綱(げっしていこう)と呼ばれ、その方の命式の中で、日主(日干支)の次に重要視されているものです。
日主(日柱)は、その方の性格や配偶者運の位置にあり、
月柱は、その方の社会運の位置にあります。

そして、この月支の中の蔵干の力は、他の柱の蔵干に較べ、何倍もの力を持ちます。

そこで、こういう「同じ五行同士の日干、月支」を持つ方は、「月令を得る」とも言い、御本人自身を強める作用が強いため、「身旺」の確立が高いと言われます。

この関係は、
日干「甲、乙」、月支「寅、卯、辰」
日干「丙、丁」、月支「巳、午、未」
日干「戊、己」、月支「巳、午、未」(火土同根の法則)、若しくは「辰、未、戌、丑」
日干「庚、辛」、月支「申、酉、戌」
日干「壬、癸」、月支「亥、子、丑」

但し、日干「戊、己」の方の場合、本来ならば、「辰、未、戌、丑」の「土気」の月が該当するのですが、それぞれの蔵干が3つの「五行の気」から成立しているので、他の柱に、どのような干が存在しているかで「身旺、身中、身弱」の判断が変わって来るので、注意が必要です。

時柱日柱月柱年柱
天干
地支
Dさん
時柱日柱月柱年柱
天干
地支
Eさん
時柱日柱月柱年柱
天干
地支
Fさん

上記の図は、「日主と月支」が同じ五行の「木気」でも、他の柱の影響で、「身旺」と言い切れない例です。
その理由が、お分かりになられますか?

え~~~と、

Dさんは、月干の「丙」が、年支、日支、時支の「巳、午、未」の南方合と、通根していますね。空欄の「年干、時干」の「干の五行」で、「身旺」か「身中」か「身弱」の、3つの選択が考えられます。Aさんと同じ「日干と月支」なのに、他の柱を見ると、単純に決めつけられないのですね。

Eさんは、月干の「庚」と時干の「辛」が、年支、日支、時支の「巳、酉、丑」の三合金局と、通根していますね。ここまで、「金気」が多いと、Aさんと同じ「日干と月支」であっても、身弱さんですね。

Fさんは、時干の「壬」が、年支、時支の「亥、子」と北方合半会、日支、時支の「申、子」と三合水局半会と、「壬」が「子」に通根していますね。この場合は、通変星で言うと印星が多いので、「身旺」さんですね。

そうですね。
あなたの解説は、正しいですよ。
特に、Fさんは、「身旺の身弱」と呼ばれるタイプです。
これは、自分自身を表す比劫星より、印星の力が大きいので、「一見、身旺だけども、実は身弱的な振る舞いをする」と言うものです。

以上の事から、日干と月支だけで判断する事の危うさをお分かり頂けたならば、嬉しいです。
最初に申し上げた通り、この2つを見るのは、あくまでも最初の判断方法に留め置いて下さいね。

四柱を見ずして、真の鑑定は出来ませんよ。
ある部分だけから全体を判定しては行けません。
「木を見て森を見ず」にならないようにして下さいね。
この事を肝に命じて下さい。

はい、やっぱり、楽して命式を見る事って駄目な事が、良く分かりました。
正しい順番を守って、命式を見る事を心掛けます。

今日は、本当に有難うございました。
また、宜しくお願い致します。

お分かり頂いたようで、私も嬉しいです。

先人の積み重ねられた智慧によって、四柱推命がここまで発展して来たのですから、正しい学びを続けて行って下さいね。

それでは、また、お会いしましょう。