【四柱推命】開運への道しるべ3ー用神(ようじん)とは?:「扶抑(ふよく)用神」の「扶ー木生火」について

四柱推命に於いて、自分の命式の長所、短所、又、開運時期、注意すべき時期を求めるに当たり、「用神(ようじん)」への理解は欠かせないものです。それには、先ず「用神」となる五行から考え、その五行が、どの「干支」であるかを確認し、該当する通変星の象意を検討するべきだと思います。第2回目は、「扶抑(ふよく)用神ー扶ー木生火」です。

あら、今日は、お一人ですか?
元気なブライアンは、どこに居るのでしょうね。

私にも、良くわからないのですが。・・・・約束の時間を過ぎてしまいました。
一体、どうしたのでしょう?

ところで、前回の復習にもなりますが、
「扶抑用神」とは、簡潔に言えば、「五行間の、相生・相剋」を利用すると言う解釈で宜しいのでしょうか?

気学盤 五行イラスト
五行・相生、相剋図

そうです。
四柱推命は、陰陽五行説を根拠にして成り立っているので、「用神=用いる神=命式のバランスを良きものにする五行の干支」は、相生・相剋で推し量って行きます。

では、今日は、前回(「扶抑用神の扶ー相生ー水生木」)の続きとなりますので、「扶抑用神の扶ー相生ー木生火」の使い方を見て見ましょうね。
では、ブライアンの命式を使って見ましょう。

五行通変星
五行通変星
ブライアンの命式:日主=火気(丙、または、丁)

身旺、身弱から見て、赤の線から上の力量が下に較べて小さいので、身弱ですね。
食傷星と、官星が大きくなっています。
両者の大きさは、ほぼ同じでバランスが取れていますが、他の星が弱いです。
特に、日主の比劫星と、それを保護する位置の印星を強めるのが良いかと思われます。

そうですね。
この命式に必要なことは、日主=比劫星を先ず強めると言うことです。
そうしなければ、食傷星に、どんどんエネルギーが流れて行きます。
すると、自我を表す比劫星が痩せ細っていきますから、根気があっても長続きしませんね。
また、学びや比劫星を生み出す印星も弱いので、比劫星=自分自身を育てにくい(強めにくい)と思われます。

遅れて来て、ごめんなさい。

あ~~~~~、二人して、僕の悪口を言ってる~~~~。
でも、僕の命式って、そんなに悪いのですか?

基本的に、命式自体に良い、悪いはありません。
たとえ、有ったとしてもそれは、何万分の一と言うくらいの余程の確立です。
問題になるのは、命式の活かし方です。
その命式の活かし方=生き方の参考とする為にあるのが、占術ですよ。

ちょうどブライアンの命式が、今回の「扶抑用神の扶ー相生ー木生火」の趣旨に該当しますので、今から解説していきますね。
さて、ブライアンの開運の秘訣は、比劫星を先ず強めていくことです。
本来ならば、日主=比劫星を強めるには、同じ「火気」の支を採るのが一番良いです。
すると、干支共に、「通根」することになります。
比劫星に、一本ビシッと筋が通る感じですね。

今回は、用神として、「火気」以外のものを採るには、と言う観点で話を進めて行きましょう。
そうすると、「木」と「火」の関係を上手に見極めていく事が鍵となります。
ブライアン、「木気」と「火気」の干を言ってみて下さい。

木気火気土気金気水気
甲(陽)、乙(陰)丙(陽)、丁(陰)戊(陽)、己(陰)庚(陽)、辛(陰)壬(陽)、癸(陰)
五行別「干」一覧表
木気火気土気金気水気
寅、卯巳、午丑、辰、未、戌申、酉亥、子
五行別「支」一覧表

これは、前回も言ったから、バッチリです。
そして、「木気」は、干ならば、「甲」、「乙」です。
支ならば、「寅」、「卯」、「辰」
「火気」は、干ならば、「丙」、「丁」です。
支ならば、「巳」、「午」、「未」、「戌」、「寅」です。

木気のイラスト
木気の甲(木)
太陽
火気の丙(太陽)
朝顔
木気の乙(草花)
火気の丁(焚火)

ほら、見て下さいね。
「木気」は、「水気」から力を貰い、そして成長して「火気」に力を与えるんですよ。
だから、僕も「木気」から力を貰おうっと。・・・
同じ貰うのなら、「木気」の「乙」がいいな。
綺麗な草花から優しい力を貰ってパワーアップしたいなぁ~~~~。

ほほほ、・・・・ブライアンらしいお答えですね。
でも、それは、本当に正しいかしら?

日主=比劫星が「丙」の場合、
「甲」≒「乙」です。
「身旺」、「身中」の方なら、「甲」、「乙」の、どちらでも構いません。
「丙」は、「火気」の中でも、「太陽=光」の象意を表しますので、どちらにも良い気です。
この場合、通変星で言うと、
日主=自星=比劫星が、「丙」だと、「乙」は「印綬星」
日主=自星=比劫星が、「丙」だと、「甲」は「偏印星」
になります。

日主=比劫星が「丁」の場合、
「身旺」、「身中」の方なら、「甲」、「乙」の、どちらでも構いません。
「甲」>「乙」です。
日主=比劫星=「丁=焚火=熱」の象意を表しますので、
「甲=木」は、伐採された後、「薪」となり燃えて行く速さから考えると適しています。
「乙=草花」は、「甲=木」と較べ、中に水分が豊富なため、燃えるには不向きですね。
この場合、通変星で言うと、
日主=自星=比劫星が、「丁」だと、「甲」は「印綬星」
日主=自星=比劫星が、「丁」だと、「乙」は「偏印星」
になります。

ふ~~~ん、そうなんだ。
でも、僕は、身弱さんです!

ブライアンのように「身弱」であっても、考え方は同じだと思います。

日主=比劫星が「丙」の場合、
「甲」≒「乙」です。
「甲」、「乙」の、どちらでも構いません。
「丙」は、「火気」の中でも、「太陽=光」の象意を表しますので、どちらにも良い気です。
この場合、通変星で言うと、
日主=自星=比劫星が、「丙」だと、「乙」は「印綬星」
日主=自星=比劫星が、「丙」だと、「甲」は「偏印星」
になります。

日主=比劫星が「丁」の場合、
「甲」>「乙」ですが、「甲」一択の方が良いと考えられます。
日主=比劫星=「丁=焚火=熱」の象意を表しますので、
「甲=木」は、伐採された後、「薪」となり燃えて行く速さから考えると適しています。
「乙=草花」は、「甲=木」と較べ、中に水分が豊富なため、燃えるには不向きですね。
この場合、通変星で言うと、
日主=自星=比劫星が、「丁」だと、「甲」は「印綬星」
日主=自星=比劫星が、「丁」だと、「乙」は「偏印星」
になります。

と言うことは、
日主=比劫星が「丙」の場合は、身旺、身中、身弱共に、同じように捉えても良い。
でも、比劫星が「丁」の場合、身弱は、「甲」だけとすべきですか?

そうですね。
身弱さんならば、確実に力を与えてくれる「木気」は、「甲」の方が宜しいですね。

僕、実は、「日主=比劫星=丁」なのに、・・・・
ガックリ・・・
僕は、甲=木と仲良くするしかないのかぁ・・・・・

文句を言っている場合じゃないわよ、ブライアン。
五行から、その中に存在する陰陽までを考えての分析なんだから、仕方ないわ。
さぁ、ブライアン。
干の次は、支よ。
支に「木気」があるのは、言える?

身旺、身中さんなら、「寅」、「卯」、「辰」は、全てOK。
でも、身弱さんは、「寅」、「卯」だけですね。
またまた、ガックリ。
選択肢が、ひとつ減っているのですよね。

ブライアンの御気持は、分からないではありませんが、それだけ「用神を採る」には、慎重にしなければならない難しさがあるのですよ。

前回も申し上げたように、採る用神が、
1:天干か地支か
2:地支を採る際に、「方合」、「三合局」の有無
3:用神が巡って来る際の、その大きさ(強さ)
こういう点にも、気を配って下さいね。

ブライアン、嘆かないで。
今から、私が「バームクーヘン」を奢ってあげるから。

Oh~~~、Nice Idea !!!
君は、何て優しい人なんだ。
付いて行きます、どこまでも~~~~~。
早く、早く、行きましょう~~~~~。

あらあら、ほほほ、・・・・
でも、それで良いのですよ。
そういう行動も、命式の活かし方のひとつですよ。

是非、今後も、命式を分析する事の楽しさを覚えて行って下さいね。
また、お会いしましょう。