【気学】道真さんに聞きましたー7:「何で、五黄殺と暗剣殺は、怖い」のですか?

前回に引き続き、 京都の北野天満宮におわします「菅原道真公」と、一人の「迷える気学学習者」との「気学」を巡る対話です。今回は、「五黄殺と暗剣殺」に関するお話です。

道真様、こんにちは。
今日も、気学について勉強させて下さい。

ふむ、・・・良いぞ。
何か質問があるのか?

はい、実は、あの後、自分でも、色々な気学の本を読んだりしているのですが、
なぜ、九星気学で「三大・怖い方位」として、五黄殺、暗剣殺、歳破があるのが、良く分かりません。
中でも、五黄殺については、どの本も、「五黄殺は、腐敗、破壊、大凶、自滅、・・・」と不吉な事ばかり書いてあります。
暗剣殺も、同様に「いきなりのトラブル」とか、怖い事ばっかりです。

ほう、ちゃんと勉強しているのじゃな。
では、今回は、「五黄殺と暗剣殺」について、共に考えてみよう。
さて、九星気学は、古代中国で生まれた「陰陽五行説」、「九星術」、「奇門遁甲」、「易経」、平安時代に、日本で生まれた「陰陽道」の後に生まれた、今から100年ほど前に、日本で完成されたものじゃと言うのは、お分かりか?

あ、はい。それは、どこかで聞いた覚えがあります。

それゆえ、考えの基本は、陰陽二元論であり、五行説であり、自然現象を基にする。
自然現象は、時間と共に絶え間なく変化して行く。
易経にあるじゃろ。
「天地玄黄(てんちげんこう):天は黒く、地は黄色である。・・・天と地の色が交り合う」とな。
古代中国の伝説上の人物である「伏羲」、周の「文王」、「周公」、魯の「孔子」による易経成立後、後の人々は、そこから様々な占術を生み出して、今に至っておる。
九星気学も、そうじゃよ。前にも、言ったがのう。

そうなんですか、・・・・
では、最初の疑問に戻りますが、「五黄殺」の基となった考え方は何ですか?

易では、中心になる8つの卦がある。
森羅万象を8つのグループに分けたものじゃ。
「九星術」、「奇門遁甲」や「九星気学」では、方位学なので、そこに中央を含めて9つとした。

五黄中宮
五黄中宮

あ、はい。・・・
お馴染みの方位盤ですね。

では、質問じゃ。
五黄土星は、どこにある?

真ん中にあります。

そうじゃ、真ん中じゃ。
時間とは、常に進み変化して行く。それに伴い、空間も変化して行く。
全ての森羅万象は、「占盤」上で、時間や空間を体現しておる位置に分類される。
その際、中央に五黄土星を置き、時間、空間を体現していない。
と言うより、全てを超越した存在としておる。

東南=「巽」=「四緑木星」

辰、巳

南=「離」=「九紫火星」

西南=「坤」=「二黒土星」

未、申

東=「雷」=「三碧木星」

中央=「五黄土星」

西=「兌」=「七赤金星」

東北=「艮」=「八白土星」

丑、寅

北=「坎」=「一白水星」

西北=「乾」=「六白金星」

戌、亥

九星気学には、8つの星があるが、陰陽五行説で森羅万象を解説すると、
水気を表すものは、易経の「坎」=「一白水星」
火気を表すものは、易経の「離」=「九紫火星」
水気が生じる木気を表すものは、「雷」=「三碧木星」、「巽」=「四緑木星」
火気が生じる土気を表すものは、「坤」=「二黒土星」、中央=「五黄土星」、「艮」=「八白土星」
土気が生じる金気を表すものは、「乾」=「六白金星」と「兌」=「七赤金星」となる。

上の図を見て、何か気づく事はないか?

あ、はい。
九星によって、数が違います。
一つだけ、二つある、三つある、と、数がバラバラです。

良し。
そこが重要じゃ。
色を付けていない「土気」だけが、なぜ、3つもあるかな?

「土気」が三つ・・・・?・・・
う~~~ん。
きっと、野菜が生まれるのは、土からだし、色んな物が役目を終えて、最後には土に戻るから、他の五行に比べて、色んな事が出来るので「土気」の数が多いのでしょうか?

簡単に言うと、そうじゃな。
「土気」は、創造と腐敗=破壊の元じゃよ。
じゃから、「占盤」では、他の五行が、時間と共に移り変わる時に、調整役(土用の時期として)として登場するから、数が多いんじゃ。
故に、全てを統括すると言う意味で、洛書の魔方陣を使って、「五黄土星」が中央に置かれる。

王様ですか?・・・

そうじゃ。王様のようなもんじゃ。
時間とは、常に進んで行く。
と言う事は、時間の移り変わりによって、王様も移動して行く。
すると、移動した先では、何が起こるかのう?

偉い人が来ると、びっくりします。

そう、それじゃ。
時間、空間を超えた存在が来るので、その位置に元からあったものは、その力を無くす。
権力で無理やり押さえつけるようなもんじゃな。
王は、「創造と破壊」を行う者じゃ。

だから、「五黄殺は、怖い」と言う話になるのですか?

そう、そうじゃよ。
王である「五黄土星」が来ることによって、今まであった「秩序」が乱される。それを「殺」と言う言葉で言い表しておるんじゃよ。

さて、これらの九星は、時間と共に移動する。
移動には、決まった法則がある。「飛泊(ひはく)の法則」じゃ。
先ほど言った、洛書の「魔方陣」を基にしておるのう。

飛泊カラー
飛泊の法則

順番が、「?」です。

魔方陣だから、どの数字が移動しても、縦・横・斜めの合計数が、「15」になるからじゃよ。

では、最後の質問じゃ。
五黄土星が移動したら、その反対は、どうなると思うかのう?

シーソーみたいに、王様の反対側は、軽くなるのでしょうか?

ぶわっはっはっ・・・・
シーソーのたとえは、良いぞ。
その通り、軽くはならんが、王様の反動の位置として影響がある。
それを称して「暗剣殺」と呼ぶ。

何となくでも良いから、分かってきたかな?

あ、はい。
今まで、五黄殺は「悪者」だと思ってました。
でも、本当は、それだけでは無いことが分かりました。
今日は、有難うございました。
また、宜しくお願い致します。

ははは、・・・構わんぞ。
「気学の旅」は、始まったばかりじゃ。
次も、また、楽しい旅が待っているぞ。