【気学】道真さんに聞きましたー6:「何で、遁甲と言う言葉がある」のですか?

前回に引き続き、 京都の北野天満宮におわします「菅原道真公」と、一人の「迷える気学学習者」との「気学」を巡る対話です。今回は、「遁甲」に関するお話です。

道真様、こんにちは。
今日も、宜しくお願い致します。
あれから、私なりに色々、本を読んだり考えたりしているのですが、「廻座」は、「遁甲」と同じようなものですよね。

ほう、「遁甲」とな。・・・
主に、「奇門遁甲」と呼ばれる、中国古来の式占「三式」のうちのひとつ「地式」じゃな。

その歴史は古く、中国古代の伝説上の黄帝(治世(伝承):紀元前2510年~紀元前2448年)の時代から始まると言われておる。周の軍師、呂尚や前漢の張良が活用したと言われておる。また、三国時代の「蜀漢」の宰相・諸葛亮(孔明):(光和4(181)燃~建興12(234)年)も使用したとも言われておる。但し、歴史的事実として、文献などでは確認出来ていない。明代の「三国志演義」と言う時代小説の影響が大きいぞ。

奇門遁甲は、元々は「地」を見る占術なので、兵法としての術として名高い。
つまり、戦争のための方術じゃよ。
「遁甲盤=式盤(天地盤)」を使用して、地の気=方位ー戦いの吉凶を占うものじゃな。

はぁ~、何だか聞いているだけで、凄そうなものですね。
でも、「遁甲」の「遁」は、「逃げる、逃れる、隠れる」と言う意味ですよね?
「甲」が「逃げる」んですか?

そう、逃げるんじゃよ。

奇門遁甲の、
「奇門」とは、「変な門」では無くて、「素晴らしい門(場所:方位)」
「遁」は「逃げる、隠れる」
「甲」は、「甲尊」

奇門遁甲は、
時間(年、月、日、時の十干・十二支)を
空間(九宮)に、
陰陽五行説と
易の卦
を駆使して配置する占術じゃ。

じゃから、
十干には、順位が付けられている。
甲は、最初の干ゆえ、至高の存在で、「甲尊(こうそん)」と言う。
乙、丙、丁は、「甲」との関係で良いもの(五行の比和、相生)であり、甲の次に大事な存在とされ、三奇(乙奇 丙奇 丁奇)と言う。
戊、己、庚、辛、壬、癸は、六儀(戊儀 己儀 庚儀 辛儀 壬儀 癸儀)と言う。

そして、至高の存在である甲を除いて、三奇六儀で天盤・地盤が作成される遁甲盤だが、六儀のどれかが、時刻毎に甲尊に変化するのじゃよ。そこから、天盤・地盤での吉凶を読み取るのじゃ。

 甲尊 
 三奇(乙奇 丙奇 丁奇) 
 六儀(戊儀 己儀 庚儀 辛儀 壬儀 癸儀) 

何か、話が、どんどん広がり過ぎて着いて行けません。・・・

う、・・・そうか。・・・
では、簡潔に説明するぞ。

奇門遁甲には、色々な流派があるが、基本は、
「遁甲暦」=局数=二十四節季=占う時(年、月、日、時間)
「三奇六儀ー天盤、地盤」ー天干、地干
「八門」=八方位
「九星=天蓬九星」
「八神」
「九宮(紫白星)」
を総合して、方位の吉凶を占って行くことから、遁甲盤と言われる。
「年、月、日、時間(2時間単位)」を占うものではあるが、主に「日、時間」が中心じゃ。

遁甲盤
遁甲盤ーWikipediaより

つまり、「遁甲」とは、「王様を探せ」と言うことですか?

ほぉ、面白いたとえじゃな。
だが、そんなに簡単に言われると、少し困るのう。

「ふ~~~ん。」としか言いようがありません。
難しい言葉ばかりで、訳が分からなくなりました。

八卦盤
九星気学盤

では、これなら分かるか?

あ、これなら分かります。
私が勉強中の「気学」のものですよね。

そうじゃ。

わしが、今回、言いたいのは、
「廻座」と「遁甲」とは、本来、違うものだと言うことじゃ。
九星気学で、安易に「星の動き」を「遁甲」などと言う言葉を使うのは、本来は宜しくないと言うことじゃよ。

九星気学は、河図洛書に始まり、陰陽五行説、易経、奇門遁甲、九星術、それらが、日本に入ってきて、陰陽道の影響も受け、様々な変遷を受けて、成立したものだからじゃ。

九星気学が出来て、まだ100年ほどじゃしな。
まだまだ研究の余地が、たくさんある。

どの占術でも同じじゃが、その占術での用語を使う際に、その来歴を知った上で使って欲しい、と言うことじゃ。それが、学びと言うもんじゃよ。

あ、はい。
九星気学の御先祖様を大切に、ってことですよね。

う、う~~~ん。
まぁ、そうじゃな。

「遁甲」と言うのは、奇門遁甲で使われる用語であり、九星気学では一般的には使われてはおぬ。

九星の移動は、「廻座」じゃ。大気=エネルギーの循環を、九星に例えて、言うものじゃよ。
「廻座」も、「回座」では無くて、「巡る座」の「廻座」じゃよ。
星の運行には、一定の法則があって、その順序に従って、星は動いておるからのう。

さて、少しは、今日の話は理解出来たかな?

「何とな~~~く」ですが、少しだけ理解しました。もっと理解出来るよう努めます。
これからも、色々、教えて下さいね。

勿論じゃ。
わしの期待を裏切らぬようにな。・・・・