【四柱推命】干と干の関係ー「四文字熟語」で覚えようーその20【「甲」にとっての水気との関係ーその1「甲VS壬」ー「冲抜浮木(ちゅうばつふぼく)」】

四柱推命は、「十干」と「十二支」で成り立っている占術です。「十二支」も、各支それぞれが、「蔵干」と呼ばれる「干」を内包しています。故に、「十干」の「干」の理解に努めなければなりません。 今回の「干と干」の関係は、【「甲」にとっての水気との関係ーその1「甲VS壬」ー「冲抜浮木(ちゅうばつふぼく)」】です。

弁天様、こんにちは。
今日も、宜しくお願い致します。
ところで、僕の命式の天干には、「甲」があるんです。
「甲」にまつわる「四文字熟語」を教えて頂ければ、嬉しいです。

はい、こんにちは。
それでは、「甲」は、五行の「木気」ですので、木にとって、生育に大事な「水」の話をしましょう。
さて、「水気」には、どの「干」が該当しますか?

はい。
「水気」は、「壬」と「癸」です。
「壬」は、大河や海。
「癸」は、雨。
です。

そうですね。
では、どちらの「干」が、「甲」に相応しいとお思いですか?

木に必要なのは、「雨の癸」だと思います。
「大河や海の壬」だと、水の量が多すぎます。

今日も、調子が良いですね。
その通りです。
では、天干で、「大河や海の壬」が、「木の甲」の隣に居る事を表す四文字熟語があります。
空欄に入る漢字を選んで下さいね。
冲( 1 )( 2 )木
選択肢:1-衝(しょう)、抜(ばつ)
    2-廃(はい)、浮(ふ)

う~~~~ん。
どれもこれも該当しそうですね。
「衝は、突き当たる」、「抜は、抜ける」、「廃は、不要となる」、「浮は、浮く」ですし、組み合わせとしては、4通りある事になります。

悩みます~~~。
でも、木に水が多すぎて、水の中に浮かんで、使えなくなってしまいそうな感じがするので思い切って、
1には、抜
2には、廃
を選びます。

おほほ。
それは、今回の正解ではありません。
「抜」は正解ですが、「廃」は、少し行き過ぎですよ。

正解は、「 冲抜浮木(ちゅうばつふぼく )」です。
「甲」に水が押し寄せ、大地に根差した根が抜けやすくなり、水の中で浮いてしまうようなイメージでしょうか。

洪水注意
日主が「甲」ー木気

そうなんですね。
と言う事は、「甲」にとって「癸」が傍に居る方が、心強いのですね。

そうですね。
「癸」の方が、適度な水気を、「甲」の木気に与えてくれます。

今回は、「甲」と「壬」の関係についてですから、もう少し、この両者について考えて見ましょう。
下の図をご覧ください。
何か、分かることがありますか?

木甲
「木気ー甲、乙」が日主
水の模範五行
「水気ー壬、癸」が日主

「木気」が日主だと、「水気」は、「印星」ですね。
「木気」は、「水気の印星」から、力を貰えます。

「水気」が日主だと、「木気」は、「食傷星」ですね。
「水気」が、力を与えるに側になりますね。

と言う事は、「水気」と「木気」のバランスが悪いと、互いが上手く行きませんね。

そうです。
日主に対して、組み合わせとなる「五行」が、どの通変星の位置に居るか、と言う事はとても大切な事ですよ。
下の図で、どちらが今回の四文字熟語である「 冲抜浮木(ちゅうばつふぼく)」 の関係を上手く表しているのか、お分かりになられますか?

水気身弱官小
日主が「壬」ー青色
三合2
日主が「甲」ー緑色

はい。
右の【日主が「甲」ー緑色】の方です。
印星と言う「母親的な存在」が、あまりにも大きくて、「過保護状態」のようですね。または、「過干渉状態」とでも言うべきでしょうか?
親の期待を受け止めきれない子供が「甲」なのだと思います。

まさしく、あなたの仰るとおりです。

右の図( 日主が「甲」ー緑色 )は、日主が弱いため、何事に対しても、自立心を持ち、努力を続けにくく、他人頼みになりがちです。また、官星も強いため、仕事でのプレッシャーを感じやすいと思われます。

左の図( 日主が「壬」ー青色 )のような場合は、「甲ー木気」は抜けません。逆に、日主の「壬ー水気」が、自分のエネルギーを吸い取られてしまいます。こういう状態を「縮水(しゅくすい)」とも呼びます。水が、どんどん抜けて行く感じですね。
こちらは、食傷星や財星が強いので、発想力や現実への対応力には優れているのですが、日主が弱いため、周囲に振り回されやすいタイプですね。

このように、たとえ、命式の中に、「甲」と「壬」が隣り合わせになっていたとしても、それが、そのまま「 冲抜浮木(ちゅうばつふぼく)」 とは言い切れない場合もあります。

以前から申し上げているように、四文字熟語に該当する「干と干との関係」があったとしても、他の柱での「干」や「十二支」が、どうなっているのかも、きちんと精査しなければなりません。
命式のみの判定、巡運(「大運」、「歳運」)も加味した上での判定、と、多角的に見て下さいね。

一部を取り上げて拡大解釈をしてはいけません。

今日も、物凄く勉強になりました。
ありがとうございました。
次回は、是非、「甲」と「癸」の関係について教えて下さい。
お願いします。

はい。・・・勿論ですとも。
次回は、とても素敵な四文字熟語ですよ。
期待してお待ちくださいね。